石垣山〜ベベツ岳〜西峰

石垣山はピークを巻いて東側斜面を進む、、、「あれがオプタテよねっ」おばさんが指差す先にはオプタテシケ山が見えていた。見えてるうちにとあわててシャッターを押す。ベベツ岳へのコルからは少し登りとなるが、それほどキツクは無い。快適な稜線歩きが続く、、、が、どうにも心配な雲模様ではあった。

前方から一人の男性がやって来た、もうオプタテシケ山から戻って来たのだろう。「あれれっ??」私は見覚えのある風貌に気がついた。「sinrさんですよね」声をかけるとその男性も私に気がついた。「展望はどうでしたか?」おばさんが尋ねる。「小屋泊だったからね、、、はっきり見えていたけど、下りて来る頃には雲がかかってきて、、、やっぱり朝早くないとね」そんな言葉に頷きながら別れた。
「う〜〜〜ん、やっぱりダメかなぁ〜〜〜」言葉少なに俯きながらベベツ岳へと登って行く。ベベツ岳が近づくにつれてちょっと霞んではいるものの展望はますます広がって来た。扇沼山から兜岩へと続く稜線、そしてその奥には化雲岳へと続くあの天人峡ルート、、、更にその奥には旭岳〜白雲岳へと続く稜線、、、そう広大な表大雪の縦走路が確認出来るのだった。

オプタテ山頂は見えていた
石垣山からベベツ岳へ向かう、前方にはオプタテシケ山が見えていた

ベベツ岳へと稜線を行く
ベベツ岳へ続く稜線

表大雪の山々
手前に扇沼山から右へ兜岩、奥の右端が化雲岳、中央奥に旭岳〜白雲岳

ベベツ岳のピークが迫るにつれて、、、オプタテシケ山の山頂部が微妙に雲を抱きながら顔を出した。「う〜〜〜ん、どうなんだろう、、、ちょっと黒い雲が気になるんだけど〜こりゃあやっぱりダメかなぁ〜〜〜」稜線上は雲の流れとともに陽射しが遮られ、明暗のコントラストで描かれる。私はカメラ片手に歩いていた、突然雲が消え去る?ことだってあるからだ。

見えていたぁ

雲が・・・
微妙な雲が流れていて

オプタテシケ山西峰へのコルに向かって下りて行く。高度差約130mほどらしい、、、いや現実的にはそれよりももっと下る印象がある、、、一気の下りだ。結局帰路にはここを登りかえすのだから、そう思うと一層虚しい〜〜〜!

広いコルへ下り立ち、西峰への斜面を見上げながら休憩した。ミネラル補給、水分補給に余念が無い。何と言ってもこれから標高差200m弱の登りが待っているのだ。「ヨシっ」と立ち上がる、、、ハイマツやヒースの緑に囲まれた歩きづらい岩れきの斜面を登って行く。苦しい、、、見た目よりもずっと登り応えのある斜面だ。

コルへ向かって下る
西峰へのコルへと下って行く

西峰への登り
西峰への登り

何度も立ち止まりながらゆっくりと登って行く、、、眼下には青空に包まれた富良野盆地が広がる「今ごろ下界では暑い暑いと言ってるんだろうなぁ」そう言いながら振り返ると、ベベツ岳への陽射しは遮られ、、、その奥には黒っぽい雲が漂っていたのだ。

「雨が降ることは無いと思うけど、、、まぁ〜〜〜しゃあないなぁ」半ばあきらめ気味に呟いた。もうこれより好天は期待していなかった、まあ登れれば、、、そんな思いで我慢することにした。それでもし晴れ上がったら、それはそれで、「ヨシヨシ、日頃の何とやらだ!」と胸を張ることが出来ると言うものだ。

辛い登りが続く

振返ると
暗いベベツ岳の斜面と奥に下ホロカメットク山

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