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「今日も雨だね」「今週もダメだなぁ」、8月16日にアポイ岳に登って以来~雨模様の天気が続いていた。もちろんその間は山へ向かう気持ちの高ぶりはなかった。そしてやっと~「明日は全道的に晴れだぞ」待ちに待った登山日和になりそうだ。

2018年9月2日(日)午前7時30分、尻別岳の登山口に到着。「えっ!」思わず叫んでしまった、なんと駐車スペースはほぼ満車状態だったのである。何度もこの山に登っているがこんな状況は初めてであった。「この天気だからね、きっと待ちに待った山登りなんだよ」、そう言う私達も3週間ぶりの山行である。上空に広がる青空になんとなくウキウキ感?を覚えるのだ。なんとか路肩に駐車スペースを確保し、装備を整えて~午前7時50分登山口をスタート。周辺の見事なダケカンバを見ながらゆっくりと歩を進めて行く。スキーリフト終点を右に見て~一旦少し下って行く。このあたりから見える本峰はまだ遥かに遠い。ほどなく樹林帯へ入り773mピークへの登りが始まる。

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見事なダケカンバ林

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スキーリフトを右に見て

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前方に見える本峰はまだ遠い

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樹林帯に入り

「あったわよ」この時期にはいつも見ているネジバナやヤマハギがまだ咲いていてくれた。オオカメノキやミヤマガマズミの果実もあちこちで見られ~秋の訪れを実感しながら 進んで行くことになる。

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ネジバナ

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ヤマハギ

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ウド

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オオカメノキ

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ミヤマガマズミ

やがて樹林帯を抜けて右側の展望がぐんぐん広がって来る。「今日はどこまで見えるのかな~」そんな期待も膨らむ。山々のシルエットを見ながらの山座同定も楽しい。登山道脇に目を移すと、ハイオトギリやチシマフウロ、エゾカワラナデシコ等がまだ咲き残っていて~サラシナショウマやミヤマアキノキリンソウやエゾノコンギクがいい感じで見られた。

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樹林帯を抜けて

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洞爺湖方面

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遠くの山々のシルエットは、樽前山や白老三山、徳舜瞥山、ホロホロ山、さらにオロフレ山と続く

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ハイオトギリ

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サラシナショウマ

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チシマフウロ

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ミヤマアキノキリンソウ

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エゾノコンギク

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エゾカワラナデシコ

773mピークから徐々に下って行く。やがて前方には本峰が大きく立ちはだかることになる。何度見てもその大きさには圧倒される瞬間だ。一気に723mコルに向かって下って行く。目の前には頂上稜線へと向かう急な尾根が否が応にも目に入って来る。初めてこの山に登った時はその高圧的な?光景に圧倒されたものだ。コルで一旦小休止、汗を拭い水本補給をして~「さあ、行こうか」と足取り軽く?立ち上がる。

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前方に大きく立ちはだかる本峰

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723mコルに向かって下る

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頂上稜線に向かって刻まれた急な登山道をズーム

美しいシラカバに囲まれながら徐々に増して来る傾斜をしっかりと受け止めながら~一歩一歩進んで行く。後続の方々が「こんな感じなのかしら」「とっても急だと聞いていたけど」そんな会話が聞こえて来た。「いやいや、すぐにわかりますよ」そう言いたくなるのを堪えて先に進んでもらう。
この山の最大のポイントは、これから始まる急登だろう。コルから頂上稜線まで、距離にして約750m、平均斜度は22度ほどである。

そしていよいよその急登が始まり~足場を確保しながら固定ロープや周辺の木々を補助にしたり、いつも通りにひと汗もふた汗もかくことになる。急なうえに狭い登山道である、下りて来る人達とのすれ違いは譲り合いだ。「どうぞ」「ありがとうございます」「休んでいますからお先にどうぞ」そんな言葉を交わしながら登って行く。「こんなに沢山の人達が登っているなんてビックリしました」下りて来た単独の女性と言葉を交わす。「そうですね、私達もこんなに賑わっているのは初めてですよ」。この日はそれほど多くの人達が登っていた。

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美しいシラカバに囲まれて

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急登が始まった

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やっと頂上稜線が見えて来て

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