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ルチシ山はオキシマップ山や一枚岳(通称)などと共に日高山脈の最南端に位置している登山道の無い山である。私達はこの山に惹かれて過去に4度ほど登っている。そんな機会に恵まれたのは、えりも町の友人kusaさんのおかげでもあった。「5月22日に登りますけど」そんな連絡をいただき、断る理由なども無く私達はえりもを訪れたのである。

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林道から見えたルチシ山

この山は一般的には南東に延びる尾根から登るようだが、今回は3年前に案内していただいた南側の尾根のひとつから登ることにした。2018年5月22日、快晴の空のもと~林道を歩いて取り付き地点まで進む、8時15分。「このあたりからですね」今年も前回同様のメンバーだからその時の記憶を思いだしながら~コンパスを切り進行方向を確認して進んで行く。心配していたミヤコ笹の背が意外と低い。それでもダニ被害への注意は十分に必要だ。

少しずつ高度が上がって顕著な尾根にでる。「間違いないですね」ほっとしながら小休止。風は弱く上空からは絶え間なく陽射しが降り注いでいた。いわゆるカラっとした天気で、じっとりと汗ばむ印象が無いのがうれしい。周辺にはヤマツツジが咲き始めていた。「あれですよね」前方には目指すピークが見えている。まだまだ遠いそのピークへ向かってゆっくりと歩き始める。「このニシキゴロモは色が・・・」「ここにもありますね」、この時期にあちこちで見られる野草であるが~まさかここでカメラにおさめるとは思いもしなかった。色づいたハナヒリノキの葉が美しい。

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方向を定めて進んで行く

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顕著な尾根に出た

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咲き始めたヤマツツジ

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前方に目指すピークを見ながら

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ハナヒリノキが美しい

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ツボスミレ

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ヤマハタザオ

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ニシキゴロモ

「ゆっくり行きましょうね」そう言いあいながら登って行く。小さな沢地形を何度か越えて~先頭を行くtakaさんが「あっ、あそこに」と指を差す。その先にはピンク色の塊りが見えた。「あれはきっと・・・」一気にペースが上がる。もう終盤ではあったがエゾオオサクラソウがいい感じで咲いていた。
段々傾斜が増して来た。どのあたりから斜行して山頂直下の急斜面に出るかがポイントになって来る。私が先行して登って行くと足元に何やら動くものが~「あれっ、カナヘビかな?」それにしてはちょっと長い。「マムシも居ますから注意してくださいね」nakaさんがそう言いながら登って来た。「これ、そのものズバリですよ」、私は静かにその場を離れた。

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小さな沢地形を越えながら

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まだ咲いていたエゾオオサクラソウ

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段々斜度が増して来て

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キジムシロ

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センボンヤリ

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咲き残っていたヒダカイワザクラ

「あのあたりを狙って行きましょうか」「そうね、それでいいと思うわ」。斜度は一段と増して来て足元も不安定なほどである。ちょっとした水平なスペースを見つけて立ち止まる。背の低い樹林帯を抜けてやっと頂上直下の急斜面に出た。

標高差約150mの急登の始まりだ。背の低い笹に覆われたガレ場、しかも足元には不安定な小さな岩が転がっている。もう目指すピークの岩が見えている、おばさんが慎重に先頭で登り始めた。「気を付けて~落石注意だぞ」そう言いながら振り向くと~後続のkusaさんたちが小休止。そして立ち上がりゆっくりと登って来る。それにしてもこの傾斜、いったいどれくらいだろうか。「30度はあるんじゃない?」「あるよねきっと」、帰宅してからカシミール(地図ソフト)で直下の150mを測定してみるとその通りの結果だった。

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背の低い笹に覆われた急なガレ場を登る

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ちょっと休憩

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急斜面を見下ろす

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ガレ場の斜度は・・・

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