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ゆっくりゆっくりマイペースで登って行く。次から次へと登って来る人達~さらにもう下山してくる人達ともすれ違う。「お花どうでしたか?」「ピンクの花とか咲いていて綺麗でしたよ」、そんな答えがかえって来ると一段と期待が膨らんで来る。「そうですか、ありがとうございます」お礼を言ってさらに先へと歩を進める。

登山道脇のお花畑も一段と彩りを増して来て~いつも通りに何度も立ち止まり写真を撮りながら・・・8時40分、馬の背に飛び出した。目の前にはピンネシリから吉田岳へと連なる山並みが広がる。遠くの日高山脈は気温が上がっているせいか霞んでいて見えない。吹く風は心地よいもののとにかく水分補給だ。ミネラル飲料を一気に喉に流し込む。今回は4年ぶりに吉田岳への稜線も歩こうと思っていた。それでも無理はしたくないので二人の間での決定ではなかった。「まあ、頂上に着いたら考えよう」そんな軽いタッチ?でもあった。

いよいよアポイ岳に向かって進み始めた。最初はほぼなだらかな道程だが、幌満のお花畑への分岐を分けるとぐんぐん斜度が増して来る。高度も上がって来て8合目、9合目ときつい登りが続く。そんな岩肌を覆うようにちょうど見頃となったチングルマが咲いていた。小さな植物のアポイゼキショウも咲き始めていた。

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馬の背へ

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目の前には吉田岳と左奥にピンネシリ

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アポイ岳頂上へ向かって

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急な岩尾根を登る

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岩肌を覆うように咲くチングルマ

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アポイゼキショウ

同定が難しいセリ科の植物だが、今回はインフォメーションボードに貼られた写真をしっかり見て来た。「うん、エゾノハクサンボウフウだな」なんとなく自信が持てて、、、それでも帰宅してから再度図鑑を見て確認する。どうやら間違いなさそうだ。登山道脇で一輪だけ見たチシマフウロ、これからもっとあちこちで咲くのだろうか? ヨツバシオガマやミヤマオダマキ、そしてアポイクワガタはちょうど見頃。アポイタチツボスミレはほぼ終わっていたが、上部ではまだ咲き残っていた。9時45分、アポイ岳の頂上に立った。

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エゾノハクサンボウフウ

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チシマフウロ

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ヨツバシオガマ

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ミヤマオダマキ

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アポイクワガタ

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アポイタチツボスミレ
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頂上では多くの人が寛いでいた。私達は奥のスペースでザックを下し~汗を拭い、さてどうしよう。「行こうか?」「うん、大丈夫だよ」久しぶりに歩く稜線への期待もある。私達は休憩もそこそこにして、アポイ岳を後にした。やがて前方に吉田岳とピンネシリを見て~標高差約70mほどを下って行く。「わぁ~~~凄いよ! 綺麗だよ!」おばさんが叫ぶ。アポイ岳までの登りでは終盤だったサマニユキワリが、まだ綺麗に咲いていたのだ。ここまで来ると登山者はぐっと少なくなる。稜線上にザックを下してしゃがみ込み~じっくりと撮影タイムだ。

「ヨイショッ」そう言いながら立ち上がる。この掛け声はどんな効果があるのだろうか?いやいや単なる歳のせい!とひとり苦笑しながら進んで行く。ハイマツに囲まれた吉田岳への稜線、前方には大きな岩尾根が迫って来る。何となく「日高の山」を歩いていると実感出来そうな瞬間だ。

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前方にピンネシリ、吉田岳を見ながら

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どんどん下って行く

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サマニユキワリ
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ハイマツに囲まれた吉田岳への稜線

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