11時55分、豊似岳山頂に立った、遠望は・・・変わらずに霞んでいた。それでも1年ぶりにこの山頂に立った満足感は十分にある。さっそく各々ザックを下ろして昼食、、、ホットコーヒーを飲みながらひたすらモノトーンの彼方を見つめる。「ちょっと明るくなって来たんじゃない?」おばさんの言葉に何となくそんな気にもなる。 立ち上がって遠くを見つめる。「やっぱりあれは楽古岳じゃないかい?」確かに少し明るくなったその彼方には尖ったピークの面影が見えるようだ。「そうかもしれませんね、そうすると隣が十勝岳ですね」「もう少しすると見えて来るかも・・・」交わす言葉に期待感がこもる。 |
|
遠望は霞んでいたが、近隣の山々は見事だった。登って来た稜線を振り返ると1088mピークがまるで翼を広げたように、左に観音岳、右に970.6mピークへと続く続く稜線が続く。観音岳にカメラを向けてズームしてみる。その山頂部は想像以上の急斜面のようにも見える。 西に視線を向けると遠くアポイ岳やピンネシリ、そして手前には日高の山々らしい鋭い尾根が連なり、その広がりに圧倒される。 |
左が観音岳、中央は1088mピーク |
観音岳 |
左後方にうっすらとアポイ岳〜ピンネシリが見えていた |
「南日高の大展望とはいかなかったけど・・・」「風は無いし寒くも無いし〜〜〜」「雪質も良いし〜恵まれましたね」誰からともなくザックを背負い始める。「そろそろ下りましょうか」、、、私は楽古岳と思えるシルエットを目で追いかけていた、確かに少しづつその輪郭が確認できつつあった。「良いですよ、ゆっくり写してから来て下さい」そんな言葉に甘えて〜ファインダーを覗きシャッターを押した、ズームレバーを引く、、、何度も何度もシャッターを押す。 下山を始めた人達が眼下に見えている。あまり遅れるわけにも行かない、後ろ髪をひかれるように私も豊似岳を後にした、12時30分。 |
|
1088mピークまでの稜線を行く、南日高の山々、いや楽古岳方面を見ながら歩いていた。上空にはうっすらと青空まで感じ始めた。「見えて来てますよね、、、楽古岳ですよね」「スゴイわぁ〜〜〜」歓声が上がった。「ほらほら、青空よっ」クッキリとは言えないが楽古岳、そして十勝岳が見えていた、、、そして大きく連なる山々が広がる。 「これだよこれ!!この展望なんだよっ」叫びたい衝動にかられながらシャッターを押した。まだ青空が広がるのかもしれない、「でもこれだけ見られたんだから満足だよね」そんなおばさんの声に私は頷いた。もう未練は無い、オキシマップ山やルチシ岳、そして観音岳をもう一度確認しながら稜線から尾根へと下って行く。 |
広がる南日高の山々 |
オキシマップ山とルチシ岳 |
「来年は○○岳にしましょうか〜」「良いですね」「もう決めましょうよ」そんな気の長い話しに笑顔がこぼれる。残雪を踏みしめながら一気に尾根を下った。茫洋と広がる百人浜、彼方に霞むえりも岬は登り始めた頃とは変わっていなかった。 14時30分、登山口に到着!「来年もまた来ますから、よろしくお願いします」そんな言葉を残して私達は札幌への帰路についたのだった。 |
眼下にえりも岬を見ながら |
登山口 08:30 稜線 10:40 山頂 11:55-12:30 稜線から尾根へ 13:25 登山口 14:30 |
|
|