いよいよ豊似岳へ向かっての稜線歩きが始まった。1088mピークまでは稜線に張出す雪庇の上を歩くのだが、、、今までの経験では雪庇そのものはしっかりとしているものの、結構埋まって歩きづらかった。今年はどうなんだろう、雪が降ったり雨が降ったりで雪庇そのものの状態もちょっと心配であった。しかし歩き出して間もなく、そんな心配は吹っ飛んだ。雪面はしっかりと締まっていて非常に歩き易く、ほとんど埋まることも無い。「これなら楽だよっ」そんな言葉を交わしながら進んで行く。 |
稜線歩きが始まった(前方は1088mピーク) |
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1088mピークから北東に延びる稜線の先には、観音岳が美しく聳え立つ、その山容は何度見ても私の心をとらえて離さない。いつかはきっと・・・そんな思いはあるのだが〜〜〜雪庇の東側はスッパリと切れ落ちている、慎重に進んで行く・・・目の前には1088mピークがどんどん迫ってきた。豊似岳よりも一層山頂らしい雰囲気をもったピークである。 「とにかくグレイですね!」私はファインダーを覗きながら呟いた。無風ではあるもののちょっと暗い高曇りの空、モノトーンの世界が広がっていた。 |
観音岳が美しい |
1088mピークが迫る |
1088mピークの手前で少し休んで遅れて来る人達を待った。「もう少し登れば・・・南日高の山々との対面だよっ、、、見えているのかなぁ〜〜〜」「どうかしら、この空模様だし・・・」おばさんも期待薄の声だ。確かにひいき目に見ても大展望は期待できそうにもなかった。でもひょっとして・・・私はそんな気持ちを抑えきれずにいた。豊似岳山行での最大の見せ場?である、クッキリとした展望に恵まれれば間違い無く「おぉ〜〜〜っ」と叫ぶに違いないのだ。 ひと足先に登って行く、、、久々の山行と言うことで心配していた体調面も全く問題は無かった。一気に1088mピークに立った。「う〜〜〜ん、ダメ、霞んでるよ〜〜〜」「ダメなの?〜〜」、、、豊似岳は見えているものの遠望は、南日高の山々は、、、灰色の空の下にモノトーンで霞んでいた。 |
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左が豊似岳、右奥に霞む南日高の山々 |
気をとりなおして豊似岳に向かって歩き始める。「山頂まで行ったら見えてくるかもしれないしね!」それが気休めに近い言葉だと言うことは知りつつも、、、まだ微かな希望を持ちながら少し重く感じる足取りで進んで行く。 1088mピークから豊似岳までは雪庇も無く比較的広いなだらかな稜線歩き、そして最後のひと登りで山頂に立つことが出来る。豊似岳からオキシマップ山へと続く稜線が美しい。 |
さあ、豊似岳へ向かって |
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オキシマップ山へと続く稜線 |
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