化雲岳へ(1954.3m)

「ウワーーッ、かわいいぃ」おばさんの声が響きました。チシマツガザクラの群落です、もう一面に咲いているのです。「これなら何処かにピントが合うさぁ〜〜〜」おっさんはカメラを近づけながら数ショット、小ちゃな花に水滴をいっぱいつけた表情は、とてもキュートですね。

おばさんの大好きなウメバチソウが風に揺れて「これ撮ってぇ〜〜〜」、「冗談じゃない、揺れてるんだ、構えて待ってなきゃならないんだぞっ、、、」おっさんはそんな言葉を飲みこみながらも、風の弱まる一瞬を待っていたのです、つらいですねぇ・・・



チシマツガザクラ




ウメバチソウ


ウスユキトウヒレン

風は益々強くなって来ました、しかも相変わらずの視界不良! とにかくもう我慢しかありません。「左側に注意しろっ、落ちこんでいるはずだから、右よりに歩いて・・・」おっさんは後ろから叫んでいました。「うわっ!!」おばさんが叫びました、、、一瞬左側の視界が開け白い斜面が、、、「雪渓だっ」

強風は二人をもてあそぶかのように吹き荒れていました。「もうすぐだと思うんだけど・・・」時計は既に15時をまわろうとしていました。「化雲岳まで行けばあとは下りだから、風も少しは弱まるだろうし〜〜」

突然前方にフワーーッと黒い岩影が浮かんで来ました「化雲岳じゃないか?」、そして標識も確認できるようになりました。「間違い無いぞ、化雲岳だっ!!!」「やったぁ〜〜〜」「ここまで来ればもうヒサゴも射程距離だぁ」おっさんとおばさんは大声で叫んでいたのでした。





化雲岳へ

15時15分化雲岳山頂です。とにかく何も見えませんが一応記念写真です。強い風に飛ばされぬように堪えながら小さくピースのおばさんだったのでした。



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