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さて、リスケ山分岐に着きました。「登って行くんでしょう」「そりゃあそうさ、折角来たんだから〜〜〜」、おばさんはどうんどんと登ってリスケ山へ「早くぅ〜〜〜早く来てぇ!!!」、そんなおばさんの声におっさんは息を切らせながら登りきったのですが、「あぁ〜〜〜駄目だわっ・・・」おばさんの声は落胆と変わったのです。二人の周囲はしっかりと?ガスに包まれていたのでした。 「休もうよ、ここで休もう、こうなりゃ待って見ようじゃないの」「そうね、ゆっくりしましょう」。二人は岩の上に腰を下ろし前方を見つめていました。おっさんはデジカメを手にいつでもシャッターを押せる状態で! 「あっ、、、あぁ〜〜〜駄目だぁ・・・ん???見えて来たんじゃない?〜〜〜あぁ〜〜〜」「晴れろぅ〜〜〜見せてくれぇ〜〜〜30秒で良いからぁ・・・」そんな叫び声をあげている二人の姿を見ながら、後発の女性グループが西別岳へと向って行きました。 「あっ、ほらぁっ、来たぁ〜〜〜来たぁ!!!」それはほんの一瞬でした、ふぅ〜〜〜っとガスが途切れて青空が見えたかと思うと雲海の上に阿寒の山々が見えたのです。「やったぁ〜〜〜見えたぁ〜〜〜」おばさんは叫んでいました、おっさんは懸命にシャッターを押していました。約5秒間隔で3枚、ですからほんの20秒前後の出来事だったのです。 またガスに包まれながら「どうする?摩周岳まで行くの?」「うん、行くよ、また晴れて見えることだってあるだろうし、簡単に来れるところじゃないし、第一このまま帰ったら・・・」おっさんはフト胸に手をあてたのです〜! |
一瞬雲間に浮かぶ阿寒の山々 |
一瞬の出来事だったにせよ、阿寒の山々は見えたのですから、、、そんな現実をしっかりと胸におっさんとおばさんは西別岳へと向って稜線を進んで行ったのでした。視界を遮るガスは稜線を越えて流れているようです。「こりゃあ、なかなか晴れないかもねぇ〜〜〜」おっさんがそう行ってカメラをケースにしまいこんだ時でした。 おっさんの言葉に振返ったおばさんの視線の先には・・・「ほらぁ〜〜〜見えて来たんじゃない、、、ほらほら、摩周岳じゃない?、摩周湖じゃない???見えてきてるよっ」「おおぉ〜〜〜神は見捨ててはいなかったぁ〜〜〜これだぁ〜〜〜来るぞおぉ〜〜〜」おっさんはカメラを取り出し、ボンヤリとした輪郭で浮かび上がる摩周岳を捉えたのでした。 |
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そして遂に周囲のガスは消え去り、前方には大きく西別岳山頂部が聳え立つわけでありぃ〜〜〜途端に元気になった二人の足取りは軽く、足元にまだ咲いている花々にちょっと目を向けながらも、「えっと、今は花を写している場合じゃないからね、帰りだよ、帰りに写すから・・・」そう言いながらまるで走るかのように登山道を進んで行ったのでした。 そこには、なんとしても展望を手にしたい、晴れてるうちにあのピークに立ちたい、そんな思いがあったのです。リスケ山から10分で西別岳山頂に立ちました9時40分。 |
西別岳山頂部へ向う |
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阿寒の山々が |
「やったぁ〜〜〜見えてるぅ〜〜〜」二人は大声で叫んでいました。山頂標識の前で記念ポーズをとるおばさん、ハイパチリ、そしてすぐに周囲の撮影に入るおっさん、ちょうど雲の上に浮かぶように見えている阿寒の山々、そして何と言っても荒々しい火口を見せる摩周岳と紺碧の摩周湖が大きく、美しく広がりぃ、、、 もちろん今登って来たリスケ山も見えていて、その背後には斜里岳もチラッと顔を出し、、、「こりゃあ、すごいよっ、凄過ぎるよっ、、、」二人は大満足でその場に立ち尽くしていたのでした。 「どちらからですか?」「ハイ、札幌からです、去年400kmも走って展望無しでしたから、、、今日は何としても摩周岳まで・・・」、「あぁ、今日は大丈夫ですよ、それではお先に、どうせ途中で追いつかれると思いますが」、先に登っていた女性4名のグループが摩周岳に向うのを見送って、おっさんとおばさんはミネラル飲料を飲み干しました。「よっしゃ、見えてるうちに、行きますかぁ〜〜〜」まあ、天気が良くなると途端に元気になる二人だったのです。 |
摩周岳(カムイヌプリ)と摩周湖 |
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