緑岳(2019.5m)

更にかん木の中を進んで行くと、いよいよ目の前にハイマツと岩に覆われた大斜面が広がる。標高差約300m、見た目よりはキツイ登りが始まるのだ。足元に転がる大小の岩の上を登って行く、浮いているような岩もあるから注意が必要だ。おまけに結構急斜面、岩に塗られたペンキに導かれるようにして、ジグザグと登って行く。

「あぁ〜〜〜まだ咲いていないわっ」イワブクロの蕾を見ておばさんが言う、「そう言えば去年は咲いていたイワヒゲも見かけないね」

大斜面

きついどお〜〜〜

しかし咲いていない話しばかりでは無い、「あっ、コメバツガザクラ〜〜〜旬よっ、、、イワウメがスゴイわっ」おばさんが先頭を進みながら叫ぶ。koyaさんと私はそんな言葉を聞きながらカメラを構える。確かにコメバツガザクラは旬の顔だっ! イワウメは生き生きとした表情で群がって咲いている、じっくりと腰を落として撮影する。

「あっ、、、ウラシマツツジ、、、の、、、花よっ」、、、「ウラシマツツジ???花??本当に?」私は急いで駆けつけた。「ほらっ、これってそうじゃない?」。間違い無い〜何度かネットで見ていた花である、しかもそれが今目の前にあった。「やったぁ〜〜」おばさんは微笑んでいた。

「コケモモがまだ咲いてないねぇ」「こんなにあるんだからひとつ位咲いていても良いのに・・・」、、、で、下のコケモモの写真は帰路にやっと見つけたものである!!

コメバちゃん
コメバツガザクラ

ウラシマちゃん
ウラシマツツジの花

コケモモちゃん
コケモモ

9時ちょうど、緑岳山頂に立った。登山口から3時間10分もかかっていた。でもそんな時間など全く気にならない。何と言っても目の前には大展望が広がっていたのだ。

記念1



記念2
写真提供:koyaさん

第一お花畑の項でも書いたが、とにかく美しい・・・青空、山肌に刻まれた残雪模様〜〜〜旭岳、熊ヶ岳、手前に大きく白雲岳、、、そして高根ヶ原から忠別岳、トムラウシ山と続く広大な山並み、、、十勝連峰が少し頭を覗かせ十勝岳の噴煙が見えていた。遥か遠くには夕張山塊、、、さらには増毛山塊かぁ〜〜〜

「日高の急峻な尾根も良いけど、大雪のこの広大さは・・・やっぱり良いですねぇ」koyaさんがしみじみと呟く。「ほんと包みこまれるような安らぎを感じるよねぇ」、、、普段ならちょっと言えそうも無い言葉が、違和感も無く飛び出す。

ほとんど同時に登って来た女性二人組みと、ご夫婦の方々はもうとっくに先を進んでいた。私達は山頂に腰を下ろして動こうとしない、、、いやずっと見つめていたい、そんな気持ちに包まれていた。

旭岳
左から後旭岳と旭岳、熊ヶ岳、右に大きく白雲岳

トムラ〜〜〜
高根ヶ原と忠別岳、トムラウシ山、十勝連峰、そして遠く夕張岳も見えているのだが、、、

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