延々と続く急登は私の想像を超えていた。まるで地面に顔を、いや鼻をくくりつけるような「鼻くくり坂」などとでも言いたくなるような、ひたすら地面を見ながらの登りが続くのだ。 苦しい、とにかく辛い、そんな登りも標高1100mを越える頃から、木々の間から中ノ岳と見間違えるような1445mピークが見え、いよいよ迫るクライマックスに胸がときめくのだった。 見上げれば青空とやや広がる雲が見えている。「う〜〜〜ん、微妙な雲行きだなぁ〜〜〜」私はちょっと不安気に呟いた。しかし私以上にkoyaさんにとっては重大な出来事でもある。去年登った時にはほとんどその展望を得ていないのだから、、、それがまた今年この急斜面を登ってきて見えないとなると・・・ |
![]() ちょっと雲行きが怪しい |
やがて直登沢の源頭部が突き上げる岩壁がものすごい迫力で見えてきた。「いよいよ来たな、日高の懐へ・・・」 そう言えば芦別岳のXルンゼもこんな光景だったっけ・・・ |
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国境稜線手前の岩場にヒダカイワザクラが咲いていた。こんな所で出会えたうれしさもあり、ザックを下ろして大休憩、しっかりと撮影モードに入るのだった。「こっちの方がキレイよ、、、あっあれは何だっけ・・・」「エゾキスミレだろう・・・」、 countrymanさんも買い換えたばかりのデジカメで撮影に余念が無い。こんな時には皆疲れが吹っ飛んでしまっている。もちろん私も液晶モニタをしっかりと見つめていた、、、あまりハッキリは見えないのだが(遠視のため・・・老眼では無い、念のため)輪郭だけは確認出来る。 |
ヒダカイワザクラ |
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![]() エゾノハクサンイチゲ |
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