しかし楽しんでばかりもいられないのです。五色ケ原入り口から山頂までは約4kmもあるのです。そろそろ疲れが出てきている足元にはゆるやかに続く登りの木道歩きは、結構堪えるのです。彼方に山頂が見えてもそれはそれなりに?まだまだ遠い山頂だったのでした。 そんな疲れを癒してくれるのは、やはり花と展望でした。 チングルマが一段と輝きを見せるころにはとにかく広い、広いお花畑の彼方に忠別岳と表大雪の山々が見え、更に遠くには北大雪の山々の山容を、くっきりと確認できるのでした。 もうこの頃からはため息しか出ません。「ふーーーっ、すごいよーーーっ、きれいだーーー、広いなぁーーー」そんな言葉だけがあたりにこだまするのでした。 |
一面に広がるチングルマと、彼方に忠別岳と表大雪の山々 |
広いお花畑の彼方に連なる山々(左から屏風岳、武利岳、武華山、北見富士、三国山等) |
「おやややっ、これって、、、熊の掘り返し???」木道の両脇には地面を掘り返したような跡がたくさんあり、しかし良く見ると足跡はエゾシカのようです。そしてそれは木道に沿って延々と続いているのでした。 「そう言えば、エゾノハクサンイチゲほとんど見かけなかったよね、チシマノキンバイソウだって思ったよりも少ないし・・・」それはすっかりエゾシカに食べられてしまったのでしょうか。 そして一段と無造作に掘り返された跡が・・・「これはクマだよ、熊に決まってるさ」おっさんとおばさんはちょっと落胆気味に歩いていました。 「あっらららら、出てきたよ、、、、いよいよじゃないの」おばさんの足元には黄色が目立ちはじめ、それはまさしくチシマノキンバイソウであり、更に進むと、あぁ〜〜〜お待ちかねトムラウシ山を背景にその群落がフワーーーっと広がったのです。 「これだよこれ、これを見たかったんだよ」おっさんとおばさんはしてやったりの表情で見つめていたのでした「でももうちょっと咲いていても・・・」なんとも贅沢な二人なのでした。 |
足元に目立ちはじめたチシマノキンバイソウの群落 |
トムラウシ山とチシマノキンバイソウの大群落 |
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