１０時４５分、あっけなく山頂に着いてしまった。小屋の前で１０分くらい休んでも登山口から５０分！　札幌の藻岩山よりも楽な登りだった。これで大展望が得られるのだからたまらない、、、但し天気が良ければだが・・・

山頂には私達の少し前に登った男性２名と、一番先に登っていたであろう青年が一名、やはり周囲に目をこらしていた。とりあえず記念写真を撮る、いつもと変わらぬ段取りなのだが・・・

２人の男性は間もなく下りて行った。おばさんはじっと遠くを眺めていた。そこには雲に覆われた遠望と、少し冷たい初冬の風とがあり、、、

「あのあたりに日高の山々、そしてこっちの方角に夕張岳だと思うんですが、、、見えないですね」青年が残念そうに呟く。「でもちょっと明るくなってきましたね、少し待ってみようかな・・・」

やがて上空からの日差しが、なだらかな笹原斜面を照らした。点々とエゾマツの黒い模様が印象的な光景である。私達はちょっと風をさけるようにして休むことにした。

上空の雲が切れてきて青空もちらほら見えはじめた。「ひょっとして見えてくるかもよ、ほらあっちは明るくなって来た」