テルモスに入れてきたホットコーヒーを飲み干す、じっと遠くを見つめる、心持ち明るくなってきた山々に、未練がましく視線を投げかける。ハッタオマナイ岳が明るくなってきた。「ひょっとして・・・」私達は顔を見合わせて微笑んだ。 |
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じっと見つめていた、遠く雲に隠れた山々を探して・・・山頂付近には青空がどんどんと広がってきた。日差しがあると結構ポカポカと暖かい。しかし遠望はいっこうに回復する兆しは無く、、、「どうやらこれまでだね、残念だけど、、、これで良しとするか」私の問いかけに、おばさんは黙って遠くを見つめていた。 |
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山頂に上がると、青年が待ち構えていたかのように、近寄ってきた。手に透明のブックケース、その中に資料を入れて、「これインターネットで見てきたんですが、、、」と言ってそのページの写真を指差し「あの方向に夕張岳ですよね、あれがハッタオマナイで彼方に北日高の山・・・ですよね、今朝帯広を出て来る時には晴れていたんですけど、残念です」、そんな青年の声に私はお礼を言ってその場を離れた。 |
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「これで今年の夏山も終わりかもしれないね・・・」おばさんはそう言いながら山小屋を見つめていた。「そうかもしれないなぁ〜〜〜いやきっとそうかも・・・」私は言葉には出さずに登山口に向かっていた。 |
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コースタイム(含休憩時間) 登り50分 下り30分 |
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