
さてadachiさんの次なる言葉は「胎内めぐりやってみます?」おばさんはもう怖いもの知らずだった。「お願いしまぁ〜〜っす」私はトボトボとついていったのである。
鳥居のあるとこらからどんどんと降りていく、おばさん快調である。
やがて巨大な岩に囲まれた空間に出た。まるで上から覗きこまれているような、一挙に押しつぶされそうな、強烈なプレッシャーとを感じながら、カメラを構える。
「ちょっと休憩しましょう」adachiさんの声にほっとしながらリュックを下す。adachiさんはエビスビールを取り出しオイシソウに飲んでいる。「ウッ・・ムム・・」私はウメキ声を飲みこみ、スポーツドリンクをいっきに飲みこみ・・・・
カモメが鳴いている、真っ青な海に白い軌跡を描きながら走る船、ツバメが飛び交い・・
「ああぁ〜なんて気持ちが良いんだろう」私は広がる光景に身を任せながらパンをほおばる、おばさんも海を見つめながらドラ焼きを食べたのだ。
そんな静寂を破るように「私、今何考えているかわかります?」と、adachiさん、「そんなことわかる訳ねえだろうぅぅーー」私は叫びそうになるのを止め次の言葉を待った。「ある固体にですね、それぞれ固有の機能を与えてですねぇ・・・・・・・・・・やがてある一定のルールが・・・・・・そんなシミュレーションをしている人がいて・・・・・・」、、、、、な、な、な、何い??ぃぃーーーー何だぁぁあーーシミュレーションーーーー???
その時ツバメ軍団が頭上からシュワーーーっと風を切って降りてきて、又一挙に上昇し、一塊になって、やがて散って行く・・・・♪トンビがくるりと輪を書いて♪・・・私にとっては単なる戦闘機バトルにしか見えなかったツバメの光景がadachiさんにはシミュレーションへの想いに変わるのか・・・・・・私は無言で頷いたのだった。
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