胎内めぐり

胎内巡り内院より仰ぎ見るテーブルリッジ
さてadachiさんの次なる言葉は「胎内めぐりやってみます?」おばさんはもう怖いもの知らずだった。「お願いしまぁ〜〜っす」私はトボトボとついていったのである。

鳥居のあるとこらからどんどんと降りていく、おばさん快調である。
やがて巨大な岩に囲まれた空間に出た。
まるで上から覗きこまれているような、一挙に押しつぶされそうな、強烈なプレッシャーとを感じながら、カメラを構える。

「ちょっと休憩しましょう」adachiさんの声にほっとしながらリュックを下す。adachiさんは
エビスビールを取り出しオイシソウに飲んでいる。「ウッ・・ムム・・」私はウメキ声を飲みこみ、スポーツドリンクをいっきに飲みこみ・・・・

カモメが鳴いている、真っ青な海に白い軌跡を描きながら走る船、ツバメが飛び交い・・
「ああぁ〜なんて気持ちが良いんだろう」私は広がる光景に身を任せながらパンをほおばる、おばさんも海を見つめながらドラ焼きを食べたのだ。

そんな静寂を破るように
「私、今何考えているかわかります?」と、adachiさん、「そんなことわかる訳ねえだろうぅぅーー」私は叫びそうになるのを止め次の言葉を待った。「ある固体にですね、それぞれ固有の機能を与えてですねぇ・・・・・・・・・・やがてある一定のルールが・・・・・・そんなシミュレーションをしている人がいて・・・・・・」、、、、、な、な、な、何い??ぃぃーーーー何だぁぁあーーシミュレーションーーーー???

その時ツバメ軍団が頭上からシュワーーーっと風を切って降りてきて、又一挙に上昇し、一塊になって、やがて散って行く・・・・♪トンビがくるりと輪を書いて♪・・・私にとっては単なる戦闘機バトルにしか見えなかったツバメの光景がadachiさんにはシミュレーションへの想いに変わるのか・・・・・・私は無言で頷いたのだった。


チョックストーンの岩
胎内巡り内院のチョックストーンの岩

鬼の踊り場さてここからいよいよ胎内突入開始である。足元に注意しながら登り始める、押しつぶすかのように岩が迫り来る。
やがて切れ落ちた断崖に青ぃ海が映えるところに出た。(不動岩稜、鬼の踊場)adachiさんとおばさんはザックをおいて岩の突端へ向かった。

私は周りの岩を写すのに必死だ。Adachiさんに頼まれて二つ返事でOKしたのだから「結果はある程度残さなければ」よいう使命感?と、目の前に映る光景に、カメラを構えてしまうのだ。ふと見ると断崖絶壁の下にadachiさんとおばさんがいる。小さく映る二人の姿が美しい、私の好きなロケーションであった。

さて、ここからはどんどんと登り始める。鉄線につかまり、ロープにつかまり、おばさんはきわめて快調だ。adachiさんは呼吸を整えながら1歩1歩登ってくる。やがて梯子を登り岩の間を潜り抜けると、さっき降りてきた内院入り口へと続くところであった。ほっと一息、散策路を戻り始める



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