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本州の友がトムラウシ山に来ると言う。それではと山中で合流することにして、早目の夏休みをとったのだが・・・その友は止む得ぬ事情で来ることが出来なくなり・・・「じゃあどうしようか、ヒサゴの小屋は混むしねぇ」「そうね、なら・・・五色ケ原なんかどうかしら、お花が楽しめるし〜忠別岳避難小屋だったら静かだろうし、、、」そんな結論で急遽予定を変更。沼ノ原から五色ケ原、そして忠別岳へ登って忠別岳避難小屋泊というルートである。2003年と2004年の7月中旬にも周辺を歩いていた。

昨年は何故か一度も縦走装備では歩いていない。小屋泊まりではあるが久々の縦走装備である。「大丈夫かしら・・・」そんな一抹の不安もあった。今年は夏山シーズンが始まってからちょっと意識的に歩いた。ニセイカウシュッペ山〜平山への吊り尾根岩峰途中まで、大平山、ヌカビラ岳〜北戸蔦別岳、芦別岳新道コースと翌日の富良野岳・・・いづれもクリア出来ていた。残る問題は縦走装備によるザックの重さへの対応だけだった。出来るだけ不要なものや二人がダブって持参していたものなどを省いても、そこそこの重量にはなる。「何とか頑張ってみようよ、ゆっくり歩けば大丈夫だよ」

2007年7月30日、仕事を終えてすぐに車に乗り込む、高速を飛ばして層雲峡の黒岳駐車場に着いたのは22時、すぐにシュラフにもぐりこんだ。久々の山中泊とあって興奮気味なのか、、、なかなか寝付かれない。ウトウトしながらも携帯電話のアラームが鳴る前に起床した。装備をチェックしてすぐに登山口であるクチャンベツへ向かった。林道途中のゲートナンバーは事前に確認してあった。駐車場には既に結構車が止まっていた、前日から登っている人達の車がほとんどのようである。ところでこの登山口には2002年に試験的にバイオトイレが設置されていたのだが、2004年に試験終了し今は簡易トイレとなっていた。

準備をしていると一人の男性が車から出てきて先に出発して行った。午前5時30分、いよいよ私達の久々の山中泊山行がスタートした。途中二つの丸太橋を慎重に渡って行く、装備が重いだけあってちょっとしたミスも怪我につながり易い。やがて尾根に取り付くと段々傾斜が増して来る、大小の岩石がゴロゴロと転がっている急登が続く、張り出した木の根や枝につかまったりしながら、グイグイと登って行く。おばさんは快調だった、先行していた単独の男性を抜いて行く。

登山口
登山口を出発

急登

約1時間弱で「沼の原2km」の看板を見た。「えっ、もう急登はクリアしたのかな?」そんな印象だった。なだらかな登山道を少し進むとまた登りとなるが長くは続かず、最初の湿原に至る。

木道歩きになっていよいよ視界が開けると、、、おばさんが「わぁ〜〜〜」と叫んだ。見えていた、、、沼の彼方にトムラウシ山が、十勝連峰が・・・それは青空の下にドッシリと!このコースの最初の見せ場?その美しさに圧倒される。

さ、湿原だよ

十勝連峰
十勝連峰

トムラ
トムラウシ山

木道をどんどんと進んで行く、心地よい足音が響く、、、ワタスゲが揺れ〜ホソバノキソチドリが咲き、モウセンゴケの花やツルコケモモが咲く、いっきにお花モードに突入である。

大沼に出た、一張りのテントがあり二人の女性がくつろいでいた。私達はザックを下ろし沼越しにトムラウシ山を見ながら大休止、贅沢な光景である。「何かこのコースはいつも天気に恵まれるよね」おばさんがうれしそうに言う。素晴らしい天気だった、風も弱く暑さもそれほどでも無い。沼の木道を進みながら石狩連峰や表大雪の山々を見る。


ワタスゲが揺れる・・・

トムラを見ながら
トムラウシ山を見ながら・・・

湿原を通過し終えるとコースは五色の水場に向かって一旦下って行く。凍らせて持って来た飲料は十分にあったし、小屋周辺では雪渓尻の水を利用出来るだろう。水場はそのまま通過していよいよ一気に100mほどの登りとなる。

「さあ、ここからだぞっ」ここはいつもドロドロの急斜面であった。しかし今年の少雨のせいなのだろう、登山道はあまりぬかるんでいなかった。「こりゃあ助かるなぁ」そう思いながら登って行く。視界が開けると眼下に沼ノ原を取り囲むようにして広がる大樹海、その後方には石狩連峰、そしてニペソツ山が鎮座する、「すごいぞ、、、今日も!!すごいぞ」叫びながら登って行く。


いつもはドロドロの急斜面なのだが・・・

広がる展望を背に
広がる展望を背に

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