何度も渡渉を繰り返しながら進んで行くと、やがて前方に大きな岩壁が立ちはだかり~左側の大きな滝から勢いよく流れる水音が響いていた。岩壁をよじ登って更にへつるようにして進むべく補助ロープが設置されている。他に下の画面では見にくいが、左側の急斜面を高巻くルートもある。目を凝らして見ると先行者の姿が写っている。 ここで小休止しながら私はこのルートについて説明した。私達以外は皆さん初めて登る山である。ここは無理せずに高巻きルートを選んだ。装備をチェックしなおして私が先頭で急な斜面を登って行く。足元を確認しながら、張り出した木の根やしっかりとした枝に掴まって一気に登りきり、すぐに~垂れ下がった補助ロープを利用しながら沢へと下り立つ。休む間もなく今度は急なロープ場だ。一人ひとり慎重に登り切ってほっと一息である。 |
目の前に岸壁が立ちはだかる |
高巻きの下り(補助ロープあり) |
ロープ場 |
【定山渓天狗岳に咲く花 その3】 ルイヨウショウマを見つけてカメラを向ける。同じキンポウゲ科の花であるニリンソウはほぼ終盤だったが、花を2個と蕾を1個つけた可愛いニリンソウを見つけた。花柄基部の葉に柄があればサンリンソウと言うようだ。ミドリニリンソウもまだ見られた。仏炎苞が葉より低い位置につくヒロハテンナンショウ、見た目も同じ仲間のコウライテンナンショウとはやや違っているので見分けは比較的容易である。 樹木の花々では、コマガダケスグリとエゾスグリ、更にクロツリバナなどが見られた。エゾスグリは結構咲いていたが、ちょうど辛い登りが連続しているようなところに咲いていたので、気づかないことが多いかもしれない。 |
ルイヨウショウマ(キンポウゲ科) |
ニリンソウ(キンポウゲ科) |
ミドリニリンソウ |
ルイヨウボタン(メギ科) |
ヒロハテンナンショウ(サトイモ科) |
コマガダケスグリ(ユキノシタ科の落葉低木) |
エゾスグリ(ユキノシタ科の落葉低木) |
クロツリバナ(ニシキギ科の落葉低木) |
登山道は沢に沿って高度を上げて行く。日射しの届かない新緑に包まれた深い沢を進んで行くと~やがて遅くまで雪渓の残る地点に到着だ。今回雪渓はほとんど融けていた。ここから左側の急斜面を高巻いて登って行く。補助ロープも垂れ下がっているので時々掴みながら慎重に登りきる。一息つきながらさらに進んで~やがて涸れた沢形へと導かれる。 |
沢に沿って高度を上げて行く |
新緑に包まれて |
雪渓はほとんど融けていた。左側を高巻く(ロープ場) |
涸れた沢形を進む |
【定山渓天狗岳に咲く花 その4】 シラネアオイだがさすがに下部ではほぼ終盤だったが、高度が上がるにつれてちょうど見頃のものが多くなり、あちこちで美しく群生しているさまは圧巻であった。エゾノイワハタザオやミヤマオダマキ、ヒメナツトウダイにサンカヨウ~次から次へと咲く花々にカメラを向ける頻度が増して~最後尾の私は常に遅れがちとなった。 |
シラネアオイ(シラネアオイ科) |
エゾノイワハタザオ(アブラナ科) |
ミヤマオダマキ(キンポウゲ科) |
ヒメナツトウダイ(トウダイグサ科) |
サンカヨウ(メギ科) |
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