標高差にして約100mほどの急登、ここは今回の行程の二つ目の難関であった。急斜面の地肌むき出しの窪みには足型がしっかりとついている。ここに足を入れながら一歩一歩登って行く。雨後などはとても滑りやすいところだ。おまけに登山道を塞ぐ大きな岩・・・ヨッコイショと乗り越える。縦走装備ならとても体力を使う場面でもあろう。
登山道が大きくジグを切るようになるとお花畑に出て、振り返ると歩いて来た沼ノ原、そして奥に東大雪の山々と広大な展望が開ける。「ほら、大沼の右奥に見えるのが沼ノ原山だよ」「その後ろはニペソツね」「あれがニペノ耳・・・そう言えば石狩岳もしばらく行ってないよね」一息つきながら広がる展望にため息をつく。
急斜面を登り切って綺麗に笹刈りされた登山道を進んで行くと、やがて前方にまだ残る雪渓が見えて来た。ここが五色ケ原の入口である、9時20分。
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急斜面の登り始め
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足型がついた登山道(雨後などは非常に滑りやすい)
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急斜面からお花畑に出る
振り返ると広大な展望が広がる(画像クリックで幅幅1024ピクセルのパノラマ画像表示)
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五色ケ原入口
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五色岳山頂までは残りまだ4kmほどある。当初予定の時間よりも少し遅れていた。しかし山頂狙いは二の次の私達はあまり急がない。と言うよりもとても急げない状況が(五色ケ原の彩り)これから展開するのを知っていたからだ。
登山道はクチャンベツ川源頭部の沢沿いに進んで行く。そして視界が開けると~せせらぎを挟んでお花畑が広がった。雪渓が融けたあとから咲き始めたエゾコザクラはちょうど旬~鮮やかにお花畑を埋め尽くす。「綺麗ねぇ~」「これは・・・素晴らしい」、ザックを下してファインダーを覗く、エゾコザクラが小躍りするかのように視界に飛び込んで来る。ひと通り撮影を済ませて腰を下す、冷たいドリンクを飲み干しながらぼーっと過ごす~ここはまさしく時の流れを忘れさせてくれるオアシスだった。
このような光景はまだまだ続く。青空の下に白い雪渓と小さな沼、木道脇にはエゾコザクラやチングルマ、ヨバシオガマが集うのだ。
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クチャンベツ川源頭部の沢沿いに進む
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広がるお花畑はまさしく時の流れを忘れさせるオアシスだ
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エゾコザクラの群落
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白花も(ズーム撮影)
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心地良い木道歩きは続いていた。木道にはところどころで少し幅を広げたところがある。ザックを下して休んでいると二人連れの方が登って来た。「あの~ひょっとして、あれこれさんですか?」「えぇ、そうですが」私はちょっとはにかみながら答えた。「やっぱりそうでしたか。奥さんの姿を見てきっとそうだと思ったんですよ、いつもネットで楽しませていただいています」
「ありがとうございます、今日はどちらまでですか?」「忠別小屋泊りです、実はお二人の登った記録を参考にして登ってきたんですよ、ここでお会い出来てビックリです」「そうでしたか~それはどうも」
そんな出会いに驚きながらYNさんご夫妻(後で自己紹介させていただいて名前を知ったのだが)とは、何度か前後入れ替わりながら五色ケ原を登って行くことになった。やっと前方に五色岳の山頂が見えて来た。「あれね、行けるのかな?」「12時が限度だね、別に山頂には拘らなくても良いしさ」、木道脇に咲く花々を愛でながら私達はゆっくりと進んで行く。
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先を進む YNさんご夫妻
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エゾヒメクワガタが木道脇を彩り
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やっと前方に五色岳が見えて来て
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タカネニガナ
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エゾヒメクワガタ
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淡いピンクのエゾヒメクワガタ
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ムカゴトラノオ |
ミヤマオグルマをズームで(おばさん撮影) |
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