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私はザックを担ぎあげた、おばさんはここにとどまるので、装備類の一部をデポしてほぼ空身での行程も考えられるのだが~ここからはいつも自分の体力測定?的な山行でもあると思っている。前方には目指す北鎮岳が見えていた。まだまだ軽い足取りで進んで行く、北鎮岳肩への大雪渓は一部を残すのみで、登山道には雪は無い。

なだらかな登山道を進んで、そのまま一気に急斜面の登りとなる。ガクンとペースが落ちるところなのだが~調子に乗ってグイグイと行ってしまう・・・息絶え絶えとなってあわててペースダウン。立ち止まり振り返って雪渓の奥に黒岳を見る、大雪山ならではの光景である。
10時15分、北鎮分岐に到着。落雷にでもあったのだろうか~分岐標識の柱は破損していた真新しい案内板が取り付けられていた。

さて~見上げる北鎮岳、そして安足間岳、比布岳方面はすっかり雲に包まれていた。「さて、どうしようか~このまま北鎮岳に登ってもあまり展望は開けそうにも無いし・・・」、お鉢平の稜線上を見ると中岳方面は見えている。「そうか、中岳まで行って比布岳や北鎮岳を見た方が良いかもよ」。距離的には中岳の方が200mほど長いがキツイ登りは無い。
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北鎮岳方面へ向かう

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北鎮岳肩への雪渓がまだ少し残っていた

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雪渓の奥に凌雲岳、黒岳を見る

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北鎮分岐

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雲の下に当麻岳、大塚方面を見る

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中岳方面への稜線

そう決めて稜線を小走りに下って行く。まだまだ快調な自分にちょっと自信を持ちながら~一気に下って中岳へのゆるやかな登りとなる。時々振り返りながら雲の流れを確認する。折角ここまで来て一瞬の雲の切れ間から見せる山容を見逃す手は無い。前方の崖の上に中岳の標識が見えて来た。ひと登りで中岳山頂に立った、10時30分。
まずはひと通り写真撮影だ~お鉢平の奥に黒岳、烏帽子岳~雲に覆われた旭岳と手前に熊ケ岳、裾合平方面。「ヨシッと」撮影を終えて私はザックを下してその場に座り込んだ。

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中岳へと続く稜線上の縦走路

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中岳山頂部を見る  奥に見えるのは熊ケ岳

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中岳山頂(2113m)

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北鎮分岐、お鉢平展望台、黒岳方面

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お鉢平の奥に烏帽子岳

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中岳分岐、熊ケ岳方面を見る。 奥には雲に隠れている旭岳

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裾合平方面

風は弱く、周辺にはあまり人影は無い。とにかく静かな山頂~と言ってもここはお鉢平を巡る稜線の通過地点でしかないから地味な存在である。軽食を頬張りながらジッと待っていた。ほどなく雲が上がって来て~そしてついに安足間から比布岳、そして北鎮岳がその姿を現したのである。「これだよっ、これこれ」私はしてやったりとシャッターを押す。北鎮岳を目指してその肩から山頂に向かう人達が豆粒のように見えていた。

稜線の西側からどんどんと雲が湧きあがって来た。あっと言う間に周辺の山々は見えなくなってしまった。「さて、戻ろう」私はまた小走りに稜線を歩き始めた。

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安足間岳と比布岳

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安足間岳から比布岳へと続く地肌むき出しの稜線をズーム

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鋸岳と右に北鎮岳

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北鎮岳山頂部をズームで

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稜線上に押し寄せる雲

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