7年ぶりの難所である急斜面は記憶していたよりもちょっと狭く感じた。ワカンの歯を意識的に斜面に蹴りこみながら〜ジグを切って登って行く。 「だけど・・・」登るにつれて細い尾根状になって来た。「違うな!斜度はこんな感じだけど〜もっと広い感じだった筈〜」、沢形を挟んで見る北側の斜面はもう少し広い。どうやら予定していた斜面とは違うようだ。「まあ、いっか〜ここまで登ったんだから」そう言いながら喘ぐように斜面上部を見上げ〜そして振り返り〜木々の間から見えた紋別岳をカメラにおさめ〜そのまま一気に急斜面を登り切った。 |
ジグを切りながら急斜面を登る |
振り返ると木々の間から紋別岳が見えた |
斜度が緩むと前方には空沼岳から南へ続く稜線が目に飛び込んで来る。雪庇の張出した崖斜面は迫力がある。そしてひと登りで目の前に空沼岳山頂が見え始め〜更に進むと視界が広がり真っ白な雪で覆われた「空沼」に到着だ、09時30分。「7年ぶりの空沼だね」「綺麗ねぇ〜山頂からもきっと凄い展望よね」ミネラル飲料を飲み干しながら山頂を見つめる。 |
雪庇の張出した崖斜面を見ながら |
山頂部が見えて来て・・・ |
空沼と奥に空沼岳 |
地図を見ながら進む方向を確認した。もう先行トレースは見当たらない。「あの方向だね、斜めに登ってコルに向かおう」空沼の脇を少し進んでから稜線の東斜面に取付いて行く。 柔らかい雪の下の固い斜面に時々スリップしそうになりながら、コルを目指して斜行して登って行く。「先頭交代〜」「そうそう、そのラインだよっ」「ゆっくりで良いよ〜」無風、快晴の天気である。時間的にもまだ十分余裕がある、そのために早めスタートしているのだ。今ここを登っていることを思いっきり体感しない手は無い。立ち止まり、息を整え、一歩一歩ゆっくりと足を踏み出す。背後には支笏湖や紋別岳が見えて来た。 |
空沼の脇を通り |
斜行しながら登って行く |
支笏湖が見えて来た |
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