山頂には途中で私達を追い越していった二人組の女性がくつろいでいた。ザックをおろしてゆっくりと広がる眺望を確認する。大きな山塊と言った印象の音更山〜石狩岳へと続く石狩連峰、遠く北見富士と北大雪の山々、表大雪に刻まれた雪渓模様に驚きを感じながらカメラを向けた。 |
石狩岳と音更山 |
右に北見富士と、左に武利岳と武華山 |
表大雪を一望 |
11時20分、下山を開始した。この光景がまた素晴らしい。ニペソツ山を思う存分に見ながら、眼下のブヨ沢に向かって飛び込んで行くような感覚である。十石峠付近を歩く人達の姿が豆粒のように見えていた。 「もっとナッキーが見たいなぁ」おばさんはそう言いながら静かに下って行く。ヒョイと顔を出した大きなナキウサギ、あわててシャッターを押す、「大きかったね〜」満足そうにほほ笑んだ。 |
ニペソツ山を見ながら |
しばらく下って行くと〜行く手の登山道に一人の男性がしゃがみこんでいた。私達が近づくと「シ〜〜〜ッ」を口に指をあてている。「いるんですよ、ほらっ〜今年生まれの子です」「えっ?今年生まれですか」「ほらあそこに、とっても可愛いでしょう」。綺麗な毛並みの小さなナキウサギ、ヒョイと移動して草を食べている。「わぁ〜〜〜かわいい〜〜〜私も撮って良いですか」おばさんの言葉に男性は頷いた。何度も何度もシャッターを押す、もちろんその男性も! 私はそんな様子を後ろから見ているだけだった。 「どうもありがとうございました」お礼を言ってその場を離れた。大崩れ付近で突然足元の岩の間からナキウサギが顔を出した。おばさんはそのあまりの近い距離にビックリしながらカメラを向けた。 |
今年生まれのナキウサギ(おばさん撮影) |
これは大人のナキウサギ(おばさん撮影) |
まだ残る雪渓の上を下って行く、もう大満足のおばさんは振り返らない。遠く北大雪の山々が見えていた。「今度はいつ来ることになるのかなぁ〜」そんな思いで下って行くと、おばさんは振り返った「次は秋に来たいね!!」。「えっ、また来るのかい?」私はそんな言葉を飲み込んだ。 13時55分登山口へ戻った。約7時間に及ぶゆったりモードの山行であった。 |
コースタイム(含む休憩時間、花見時間、ナキウサギ、エゾシマリス観察時間) 登山口 06:55 十石峠 09:30-10:00 ユニ石狩岳 10:50-11:20 登山口 13:55 |
2008年9月20日の大眺望のユニ石狩岳はこちらから |
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