大崩れから小崩れへ、そしてブヨ沢出合いを右に分けていよいよ十石峠に向かって登って行く。このあたりの周囲の光景がとても好きだ。大きな斜面が交差するように展開して、その交点から深く刻まれた沢が稜線に向かって延びる。振り返ると北大雪の山々が・・・そして表大雪の山々へと変わって行く。 「あっ、チングルマが咲いているよっ」もうとっくに咲き終わっていると思っていたチングルマ、そしてエゾノツガザクラが彩り鮮やかに輝いていた。きっとこの付近は遅くまで雪が残っていたのだろう。思いがけない褒美をいただいたような気分でカメラを向けた。

チングルマ

エゾノツガザクラ（おばさん撮影）

女性の二人組が私達を追い抜いて行く。花を写しながら〜ナキウサギの声を聞きながらの私達のペースは時間にあまり縛られずに、その時々の光景に合わせて経過して行く。 「どうだい、見えてるかい？」私は先を進むおばさんに声をかけた。十石峠に立ってはじめてその雄大な光景が展開する、眼前に聳えるニペソツ山が見たい。「見えてるよっ」〜この日も見事な展望が広がっていた。目の前にはニペソツ山とその奥にウペペサンケ山、クマネシリ山塊、そしてももちろん音更山〜石狩岳へと視線を移す。 ユニ石狩岳に登るのは今回で３年連続である、いづれも良い天気に恵まれていた。２年前に登った時にはその広がる黄葉と、遠くにはなんと斜里岳までも見える大眺望を味わうことが出来た。十石峠、そしてユニ石狩岳、その位置するところから３６０度の光景を思う存分に味わうことが出来る。

十石峠へ

ニペソツ山と奥にウペペサンケ山

クマネシリ山塊

奥に石狩岳

音更山方面を見る