送電線を過ぎると美しい斜面が待っていた。大きくジグを切りながらおばさんが登って行く、私は後ろからそんな様子をカメラにおさめる。そしてすぐに声をかけた「替わるよっ」。前方にポッカリと口をあけたような穴があった、その周辺で地面が露出しているのも見受けられた、「帰りは注意だね」しっかりと周辺を頭に叩き込んでまた先を目指して行く。 |
地面が露出していた |
ポッカリと口をあけていた個所 |
やっと斜度が緩んできてホッとして前方を見ると・・・「あれっ、トレースじゃないか」「そう、トレースがあるわっ」、標高約420m付近だった。そのトレースはもう山頂まで行って引き返したらしく、送電線に沿った尾根の方向に下っていた。「こりゃあ〜助かったぞ!!」、山頂まで距離にして約700mを切っていた。しかしこの雪質ではトレースがあると無いでは大違いである。 おばさんのペースは快調になった。私も余裕の表情でカメラ片手におばさんに続く。やがて山頂直下の大きな斜面が目の前に広がる。「おお、、、いいぞっ」と叫びたいところだが、この重い雪にちょっと不安も感じる。 |
先行トレースが合流した地点 |
山頂直下の斜面 |
登りの先行トレースに沿って山頂に向かって進んで行く。沢に向かって落ち込んで行く真っ白な雪面の彼方に見えているのは余市港方面であろうか。「もうすぐだよっ」私の言葉には答えることもなく、振り返ることもなく、おばさんは青空に向かっていた。「これでパウダーだったらなぁ」私はそう思いながらも、「まあ、又来れば良いさっ」と自分に言い聞かせていた。標高差約420m、距離にしても2km強程度である。条件さえ良ければそれほど時間もかかるまい。 |
真っ白な斜面の彼方に見えるのは余市港方面 |
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