稜線に出ると前方には957mコブ、ピンネシリへと続く稜線が見えてくる。登山道は稜線上を覆うハイマツを避けて少し東側の斜面を進んで行く。ちょっとしたスペースで休憩することにした。「これからよね〜」「うん、そう〜これからだよ」私達はミネラルドリンクを飲み干しながら呟いた。 |
稜線に出ると山頂が見えて来る(奥のピーク) |
「これから・・・」それは稜線上のハイマツ漕ぎである。とにかく山頂まで登山道にハイマツが覆いかぶさるように続くのだ。おまけにハイマツには雪がついているのだから。もちろんビッシリとそれが続くわけでは無いが、、、私達は登山口から合羽の上下を着ていた。この時期に衣服が濡れてしまっては大変なことになりかねない。日差しはあるものの、稜線上を吹くちょっとした風でもかなり冷たい。 957mコブに向かって登って行くおばさん、私はカメラを構えた〜ズームでその様子をとらえた。足元の岩に積もった雪は滑りやすく慎重に登って行く、ハイマツをはらいのけて〜〜〜そして跳ね返り〜〜白いしぶきのように雪が飛び散る・・・ビシッ、バシッ!!音が聞こえてきそうである。「わぁ〜〜〜」「えいぃ〜〜!!」おばさんの叫び声が聞こえる。 |
957mコブ目指してハイマツを漕いで行く |
私はカメラをザックにしまいこんで、ハイマツを払いのけながら進んで行く。昨年よりもまた一段とハイマツが登山道を侵食?してきた印象だ。「おおっと〜」ザックがひっかかる、、、「このぅ〜〜〜」格闘が続く。957mコブも東側をトラバースして行く。やがて前方には山頂が見えて来る、もう見た目よりも近い筈だ。私はザックからカメラを取り出しておばさんの後に続いた。しかしまだまだハイマツ漕ぎは続く。 ピンネシリの西側斜面をトラバースして進むようになると、ハイマツもちょっと手を緩めて?くれる。そしてアポイ岳が見えて来ると山頂は近い。 |
いよいよ山頂が見えて来た |
アポイ岳が見える |
アポイ岳からの縦走路が合流し、一気に山頂へと登って行く。ハイマツに囲まれたピンネシリ山頂に到着である、9時40分。ザックを下ろし濡れた手袋を取り替えて〜ミネラル飲料を飲み干し、一息ついて周囲を見廻した。結構余裕を持っていた、この天気である〜そう簡単には崩れることは無いだろう。 |
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