やがてまっすぐに続くなだらかな広い林道に出た。ここまで来ると山頂は近いのだが、、、そんな気持ちよりもその美しさに目を見張った。ちょうど青空が広がりはじめ・・・林道脇の雪化粧した木々に日差しが照りつける。目の前の彩りが曇り空のモノトーンから〜一気に白と青の見事なコントラストに輝く光景に変化するのだ。 おばさんは気持ち良さそうに歩いて行く。私はカメラを構えながらいつも通りにおばさんの後を追う。時々立ち止まりファインダーを覗く、、、シャッターを押す。今回の山行ではコンデジで撮影だ、さすがに冬山ではデジイチをぶら下げてと言うわけにはいかない。時々チラつく雪もあるし、気温も低いし〜転倒することだってある。だけど〜ザックにはデジイチを入れていた、素晴らしい展望に出会えた時にはザックから取り出して・・・やはりデジイチで撮りたい。 |
山頂方面の雲行きがどうも怪しい。「展望はダメかもしれないな・・・」私は弱きに呟いた。雲がどんどん移動して来ていたのだ。それでも山頂直下の上空にはまだ青空が広がっていた。そんな中をおばさんは快調に進んで行く。 そしていよいよ山頂に向かってのひと登り、私は振り返ること無く〜逆光の中のおばさんを追っていた。いや、振り返るのをちょっとためらっていた〜と言うのが正解かもしれない。山頂に立ってからゆっくりと〜その展望を確認したかった。 |
山頂に向かって |
11時50分、迷沢山の山頂に立った。先行していた男性グループはもう下山準備をしていた。「ラッセルどうもありがとうございました、本当に助かりました」「いや〜〜〜来ましたね、ご苦労さま」。出発してから3時間10分、二人だけだったら4時間以上は十分にかかっていただろうし〜山頂に着いたらヘトヘトになっていた事だろう。先行の男性グループには本当に感謝の気持ちだった。 さすがに山頂に立つと風が強い、、、いやっ、、、そんなことよりも〜ゆっくりと振り返ってみる。「あらぁ〜〜〜ほとんど見えないねぇ」、手稲山のことである。「さっき登っていた時はもう少し見えたわよっ」おばさんの声に私は「見えてるうちに・・・」の原則を忘れていたことを知った。もったいぶらずに登りに入った時点で振り返って見るべきだった。 ちょっと気落ちしながら風を避けて直下の斜面でザックを下ろした。先行していた男性グループは下山していった。いつも通りホットコーヒーを飲む、、、パンを頬張りながらうっすらとした輪郭の手稲山方面を見続けた。また一段と見えなくなってきた、、、「今日はダメかなぁ〜〜〜」ほぼあきらめの気持ちだった。 |
手稲山方面 |
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