雪原がなだらかな登りになってきて、余市岳がグンと迫って来るのが感じられた。「もうすぐだな」私はカメラのズームレバーを引きながらおばさんをとらえた。上空の雲はどんどんと広がってきているようだ。あのQさんの姿はもう見えない、きっともうコルの手前に立っているのだろう。 |
迫る余市岳 |
10時50分余市岳北東コル手前に立った。朝里岳から1時間弱、私達の前には余市岳が立ちはだかっていた。「今日のピークはここだね」「ここが今日の私達の山頂よね」、すぐ目の前には余市岳の山頂があった。全く無理するつもりは無かった、今日はもうこれで十分だった。とりあえず記念写真を撮る。 余市岳を登って行く人達の姿が見えていた。小さくゆっくりとジグを切りながら進んで行く。もうあの青空は無く、うっすらと陰るモノトーンになりつつあった。余市岳の彼方には遠く尻別岳が見えていた。無意根山〜中岳、、、遠く支笏湖周辺の山々も見える。すぐ近くには定山渓天狗岳、神威岳、烏帽子岳、百松沢山と続く山並み。「青空が欲しかったよねぇ」でも贅沢は言えない、こんな風の無いおだやかな日に恵まれたことに感謝しなければ〜 |
余市岳を登る人達 |
尻別岳 |
無意根山、中岳方面 |
定山渓天狗岳、神威岳、烏帽子岳、百松沢山と続く |
私達は帰路についた。モノトーンの世界がどんどん広がってきていた。時々振り返っては余市岳を登って行く人達の姿を追う・・・その姿も段々と霞んできた。「こんにちは〜〜〜」キロロスキー場から来た人達か、すれ違いながら挨拶を交わす。朝里岳から歩いて来る人達もやって来る。 樹氷を交わしながら朝里岳付近に戻って来た。私は少し離れて写真を撮っていた。「あっ、こんにちは〜〜〜」「ここだったの」おばさんやあのQさんの声が聞こえた。山頂付近でツエルトを張って休んでいるグループの中に、何度かご一緒しているお恵さんがいた、そして同じML仲間のフェルさん達が、手を振っていた「やぁ〜〜〜おっさま、しばらくです」。私達もザックを下ろして少しご一緒させていただく。話しを聞くとこれから雪崩遭難捜査訓練をすると言う、「私達は明日N山系での訓練に参加させていただくんです」。久々の出会いに話しが弾んだ。 「それじゃぁ〜一足先に失礼します」私達はシールを外して斜面を下って行く。スカイキャビン終点駅からは賑わう札幌国際スキー場を一気に滑り降りた。 |
モノトーンの世界になって |
コースタイム(含休憩時間) スカイキャビン終点 09:10 朝里岳付近 09:55 余市岳北東コル手前 10:50-11:05 朝里岳付近 11:45-12:15 スカイキャビン終点 12:40 |
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