森林限界へ・・・

標高518m地点からは一旦少し下り、混んだ木々の間を抜けて登って行くと広いなだらかな尾根となって来る。私は帰路に尾根から沢へ降りる地点をマークしておこうと思っていた。おばさんを先頭に順調なペースで登って行く「ちょっと休みましょうよ」、ザックを下ろしスキーを脱いで大休止!「ハイ、どーぞ!」おばさんから出された大福にJAJAさんから歓声があがる「うわぁ〜〜〜これねぇ〜〜ありがとうぅ」。地図を見た、思っていたよりも進んでいて帰路の林道へ降りる地点はもう通過していた、「まあ、いっか、帰りは降りれそうな斜面を探しながら進むとしよう」

ザックを担ぎ、スキーを履く、何となく阿吽の呼吸で出発する。淡々とした広い尾根歩きは結構長く感じる、「先頭変わろうか・・・」時々ペースを見ながら交代する。
今回のルートは距離は片道約7km前後だが、何と言っても標高差が1200m強もある。前半で体力を消耗してしまうと山頂には辿りつけないかもしれない、JAJAさんも私達もピークに拘る方では無いものの、札幌から遠いこの地でしかもこの天気である、出来ればピークに立ちたい思いは強かった。

樹林帯を進む

樹林限界となり
標高約700m付近で森林限界となる

標高700m前後で視界がグンと開ける、もう森林限界のようだ。ちょっと硬くなってきた雪面には先行する人達のトレースが続いている。「先頭変わるよ!」私は雪質を確かめるかのように進んで行った。「最近はほとんど雪が積っていないのかなぁ〜〜〜」ちょっと不安になりながら振り返ると、背後にはブルーのオホーツク海が広がっていた。

傾斜は徐々に増して来る、つまりどんどん高度が上がって来て、それに連れて雪面が微妙に、、、いや顕著に変わってきた。うっすらと雪が積ったちょっとボコボコした雪面の下は、何と凍っていてスキーのエッジはほとんど効かない、所々ストックも弾かれそうになる。そんな個所を避けながら登って行く。

背後にオホーツク海
オホーツク海を背に登る

広がる展望を見ながら登る
右に広がる展望を手にしながら

右手には低いながらも迫力のある山容の小海別岳、そしてその山影から斜里岳が見えて来た。「すごいよぅ〜〜〜こりゃぁ〜〜〜スゴイねぇ、、、斜里岳の左に見えるのは???(標津岳か)、小海別岳の右に白く霞んでいるのは、位置的に阿寒の山じゃないかな〜〜〜」

標高857mを地点を越えた、段々と雪面が光って来る。ガリガリ、、、スキーが滑り出した。「もう限界かなぁ」そう思いながら前方を見ると1組のスキーがデポしてあった。当初は出来れば1155m地点付近までスキーで登る予定だった、しかしこの雪面ではとても滑りを楽しむどころでは無い!「このあたりでスキーをデポしませんか」一同納得でスキーを脱いで樺の木に固定する。

アイゼンを装着して軽くなった足を踏み出す。サクッ、サクッ、サクッ、、、アイゼンが小気味良く雪面を噛む、さすがにこの程度の凍った雪面には効果的だし、もちろん必須だ。

小海別岳、斜里岳
手前が小海別岳、奥に斜里岳

アイゼンを着けて
アイゼンをつけて登る

アイゼンを着けて登り始めて200mほど進むと、2組のスキーがデポしてあった。どうやらこれで山スキーの男性グループは全員アイゼンへ切り替えたようである。まずは1155m地点へ向かって真っ白い広い尾根を登って行く。高度が上がって来ると斜里岳がついにその全容を現す。「おぉ〜〜〜斜里だ、、、斜里だよぅ・・・」

1155m地点への登り、その1

斜里岳
斜里岳

スキーコーナーへ

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