９３２ｍ峰を後にして稜線を下り始めた。私の大好きな光景が広がる、、、それは大きく翼を広げたような樽前山であり、なめらかな曲線を描くように稜線や外輪山に続く踏み跡であり、、、風も弱く好天に恵まれたその光景は大きさな優しささえ感じるのだ。
足元に咲き乱れているコメバツガザクラからちょっと目を離して振り返ると、地肌むきだしの９３２ｍ峰へと続く細い稜線、対照的に緑に包まれた風不死岳が美しい。

東山へと続く外輪山の登りは結構キツイ、目の前に見えるポコを登りきった先にピークへと続く細い稜線が続いていることは知っていた、決して急ぎはしない。小さくジグザグと刻まれた踏み跡を俯き加減に登って行く。「こんにちは〜〜〜」行き交う人達も多くなってきた。

「こんにちは〜〜〜いつもＨＰ見てますよぅ〜〜応援してますから、、、」二人連れの方から突然声をかけられた。「あっ、そうですかぁ〜〜ありがとうございます〜〜〜」、、、「お二人だってすぐにわかりましたよぅ・・・」女性の方が笑顔で話しかけてくれた。「あっ、、、どうも」私達は突然の出来事に照れながらお辞儀をした。若いお二人からの言葉はとてもうれしかった。【お名前も聞かずに大変失礼致しました、声をかけて下さり本当にありがとうございました】

１０時５分、東山ピークに立った。噴煙は真っ直ぐに上に向かって静かにたなびいていた。心なしか溶岩ドームも優しく見える。「何か今日の樽前山はおだやかな感じだねぇ〜〜〜、こんな山行も良いよね」私はそう呟きながらザックを下ろした。

少し休んで下山を開始した。さすがにこの時間になると登って来る人達がどんどんと増えて来る。「やはり人気の山だなぁ」「７合目まで車で来れる手軽さもあるしね」、、、「こんにちは〜〜〜」声を交わしながら下りて行く。

展望台まで下りてベンチに座った、、、少し待ったがエゾシマリスは出て来ない。あきらめて登山口へと向かう。「あっ、咲いてるよっ！！」おばさんが声をあげた、ウコンウツギだった。まだ咲き始めたばかりの花にカメラを向ける。「きっと来週あたりは満開だろうね〜〜〜」そう言いながらシャッターを押す。１０時４５分、樽前山登山口に下り立った。

コースタイム（含休憩時間等）
風不死岳登山道入口　07：05　　風不死岳登山口　08：10-08：20　　９３２ｍ峰　09：00-09：15　　樽前山東山　10：05-10：15　　樽前山登山口　10：45