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美笛林道ルート

丹鳴岳(になるだけ)は、恵庭岳の南西に位置する支笏湖を囲む外輪山のひとつである。この山には5年前の1月2日にGさんの案内で仲間と登っていた。その時には視界不良と厳しい寒さの中での山行だった。そして何と言ってもその林道の長さが印象に残っていた。5年経って林道が短くはならないだろうが、ラッセルの無い時期なら幾分楽だろうし、やはりその展望を確認しておきたかった。

札幌から支笏湖畔を走り国道276号線で美笛峠方面へ、美笛トンネルを抜けた先のパーキングエリアが今回の出発地点だ。ここは冬季間のタイヤチェーン着脱場ともなっている。2006年3月25日午前7時25分、私達は林道を歩き始めた。上空には雲が流れている、風も少し強そうだがルートの約3分の2が沢沿いの林道歩きだから、あまり気にならない。

スタート
林道入口をスタート

ほとんど高低差のない林道が延々と続く、硬い雪面に数センチさらっと積った雪、「この調子なら思っていたよりも順調に行けるかもしれないなぁ」私はちょっと不安げに呟いた。今回の行程は標高差約700m、距離約9km、そのうち林道歩きが約6kmである。問題はこの単調な林道歩きだった、ここであまり急いで体力を消耗すると後半の尾根歩きに影響するだろう。「急がないで行こう」「そうね、ノンビリと、、、時間は十分あるしね」

林道は美笛川に沿って何度も橋を渡る、「まだまだだなぁ〜〜〜」「どのくらい来たのかしら〜〜〜」その度に地図を見ながら現在地を確認する。標高396mの林道分岐を過ぎると林道にはちょっとした吹き溜まりが出来ていた、ラッセルしながら進む、、、時折風が沢を吹き抜ける、、、

出発してから2時間を過ぎようとしていた、先頭を進む私はなんとなく足元に重さにを感じていた。出発前にシールワックスは塗っていたのだが、スキーのシールに雪がくっつき始めていたのだ。でもまだそれほど重症?でもなさそうだ。

林道を行く

林道は徐々に傾斜を増してきて、やがて少し急な登りとなりその登り切った標高約660m地点で尾根に取り付くことにした。林道はこの先下っているのでこの地点は分かり易い。
出発してからここまで約2時間半、「うん、まずまず順調だね」、スキーを脱いでシール面に陽射しをあてて少しでも乾かす、ミネラル飲料を飲み大休止、そして再度シールワックスを塗る。

林道脇を攀じ登り尾根に向かって登り始めた。やっと林道歩きから開放された瞬間である、登るにつれて沢地形の向こうに山頂が見えてきた。「やっぱしこんな登りが良いなぁ〜〜〜」などと言ってみる、そのくせ急な登りが続くとすぐに根を上げるのだが。

尾根取り付き
尾根取り付き

山頂が見えて来る
山頂が見えて来た

この尾根へ向かう斜面は、もちろん5年前と変わっていなかった。適度な疎林が広がり大きくうねるような斜面、「あの時は木々が新雪を纏って、とても輝いていたっけ・・・」、今回は陽射しが一段と輝く。「ちょっと重い雪だけど、、、帰りにはザラメになってるかも?」「そうだと良いね」

尾根を目差して

尾根へ続く疎林の斜面を登る

疎林の斜面

スキーコーナーへ

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