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那英(なえい)山、富良野盆地の西側に横たわる幌内山地の1等三角点のある山である。標高は819.2mと低いが、地図を見る限り十勝連峰の展望台のようである、好天狙いで計画していた山だった。

2006年2月25日、早朝に札幌を出発、このところの暖気でツルツルの路面に緊張しながら車を走らせる。上富良野町から道々581号に入り千望峠PA(冬期間閉鎖)を過ぎ、道々759号との交点付近からのスタートである、9時18分。

道路脇の木立を抜けると、いきなりなだらかな大雪原が広がる。青空の下になだらかな山容の那英山を探しながら、まずは427m地点を目指す。右にはカラマツ林が広がっている、奥の鬱蒼とした樹林に包まれた尾根を登って行くようだ。南へ視線を移すと芦別岳方面の山々が見えていた。しかし今日の狙い目は十勝連峰である、振り返った、、、その先には、、、薄い雲が見えるだけだった。

雪原が広がる
大雪原が広がる

芦別岳方面
芦別岳方面の展望

標高427m地点を過ぎて急な尾根へ取付く。今回のルートは美瑛町、上富良野、中富良野町の境界線上の尾根を忠実に辿る。取付きの尾根は結構急で、しかも硬めの雪の上に湿った雪が少し積っていて登りづらい。うっすらとスノーシューのようなトレースが残っていた。

尾根を目指す
鬱蒼とした樹林帯が迫る

尾根を登る
急な尾根に取付く

急な尾根を登りきると、左に密なトドマツ林、右に雑木林を見ながら進む。ここが境界線ですよと言わんばかりの区切りを感じながら登って行く。やがて美しい白樺林の中を進んで560mポコへ、ここで進路を西側へ向ける。

尾根を進む
境界線に沿って尾根を進む

白樺林
白樺林の中を

この付近はなだらかな広い地形となっているので、コンパスを切りなおして方向を定めた。一旦少し下ってコルへ、次の630ポコは南側を巻きながら進む。

この頃から私達の進む方向にはクッキリとしたトレースが現れた。それはポツポツと続く小さな動物の足跡なのだ。そしてその足跡はまるで山頂に向かって行くかのように、見事なルートで進んで行く。「何か案内されているようね!」おばさんはそう言いながら苦笑いするのだった。

コル付近
630mポコ手前のコル付近

巻いて
630mポコを巻くように進む

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