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急斜面に喘ぎながら時々歩を止めて振り返る。「このあたりだったかな〜〜〜」そう言って指差す先に夕張岳が目に飛び込んで来た。逆光のうえにちょっと霞んでいて山頂部は雲で隠れている。「帰りだと思うよ、帰りにはきっとクッキリだよ」私はそう言いながらも「見えてるうちに・・・」とズームレバーを引きシャッターを押した。このあたりは抜け目無い。

「おぅ〜〜〜夕張マッターホルンだよっ、、、ほらほらこっちから・・・」とJAJAさんを促す。「あぁ〜〜〜この角度ね」JAJAさんも狙いを定めてシャッターを押す。芦別岳方面は〜〜〜残念ながらやはり雲に遮られていて・・・「あの写真みたいに見られるのかな〜〜〜」JAJAさんは言った、昨年私達が登った時のHPでの写真のことである。「大丈夫だよっ、きっと帰りにはクッキリだから、、、去年だってそうだったし」私はそう信じながら呟いた。


夕張岳


夕張マッターホルン

芦別だっ
芦別岳方面

尾根を登り切ると広いなだらかな稜線歩きとなる。735mポコを過ぎて小さなアップダウンを繰り返し、、、山頂へと向かって進んで行く。ちょっと気になっていたのは上空の空模様だった。薄い雲が流れて陽射しを遮ったかと思うとまた一段と強い陽射しが照りつける。一気に周囲の雪を纏った木々が輝き、、、そして流れるような雪面は小さな宝石を散りばめたかのように輝く。

「綺麗だよぅ〜〜〜」青空を背景にするかのように、ラッセルしながら進む小さな姿をとらえる。私と妹さんはそんな光景に目を奪われながらシャッターを押す。お姉さんとおばさんは周囲の輝きを楽しむかのように、黙々と進んで行く。素晴らしい稜線歩きとなった。

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しかし、、、上空は徐々に薄い雲に覆われてきていた。スタートしてからずっと続くラッセル、そろそろ疲れも目立ってくる。「残り約800m、一人200mのラッセルで山頂だよっ」、、、しかしこの時点での一人200m、これが結構キツイ!、、、ラッセルが続く、、、「交代しま〜〜〜す」そんな言葉が繰りかえされた。

「あれが山頂?」おばさんが見覚えのある木を見て叫んだ。「最後のツメだよっ」私はそう叫びながらちょっと離れてカメラを構えた。あまり青空は感じられないものの、薄日差す山頂を目指して進んで行った。

さあ、山頂だぜぃ

12時ちょうど、ついに幌向岳山頂である。スタートしてから約4時間、延々と続いたラッセルだった。恐らく私達二人だけ、あるいはJAJAさん達だけだったら、きっと山頂には辿りつけなかったであろう。

とりあえず昨年4月の海別岳以来の記念写真を撮った。ザックを下ろしてパンを食べながらホットコーヒーを飲む。30分ほど休憩して下山を開始した。

ズーム禁止令、、、〜

薄い雲はどんどん上空を覆い始めていた。帰路は当然登りのトレースを利用するのだから早い。黙々と進んで行く、、、「このあたりだよっ、前方に夕張岳が見えるんだ」。JAJAさんが残念そうに前方を見つめる、「でも綺麗な稜線歩きを楽しめたんだから」、、、「そうだね、本当に綺麗だったし、また今度と言うこともあるんだし」

往路では1時間半を超えた稜線歩きも、帰路には30分ほどで735mポコ付近に辿りついた。早速シールを外し林道に向かって尾根を下る、思っていたよりも軽い雪質だっ、木々の間を交わしながらちょっと林道をショートカットしたり、思い思いにシュプールを描きながら?滑りを楽しんで林道へと下り立つ。

13時50分、国道脇の駐車地点へ!「お疲れさまでしたぁ〜〜〜」最高の展望を楽しむことは出来なかったが、山頂まで続いた深いラッセル〜〜〜輝く稜線〜〜〜軽い雪!!!思う存分雪山を楽しんだ満足感が漂っていた。JAJAさん、ご一緒させていただき、ありがとうございました。

帰路はモノトーン

    コースタイム(含む休憩時間)

林道入口 08:05  尾根取付 08:40  稜線へ 10:25  山頂 12:00-12:30  林道入口 13:50

昨年の、広がる展望に圧倒された幌向岳はこちら

一緒に登ったJAJAさんのページはこちら

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