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斜度はどんどん増してきた。私が先頭に立ちながら登って行く、疎林の広い尾根〜斜度もあり雪質に恵まれた時なら最高の滑りが楽しめそうである。ターンを繰り返しながら登って行く、時々コンパスに目をやり方向を確認する、カリカリ斜面に足元をとられそうにもなる。「下りはちょっと注意かなぁ」私は肩で息しながら呟いていた。救いは昨夜降り積もったであろう数センチの雪だった。よほど気温が上がらない限り下りでもある程度こなせるだろう。いつしか前日登ったと思われるトレースは消え去っていた。

「先に行くかい?」そんな私の言葉に、おばさんが先頭で登って行く、、、そして交代してJAJAさんが進む。無理せずに大きくターンを繰り返しながら登って行く。私はそんな光景をカメラにおさめる。やがて前方に雪庇が見えてきた、東側に周りこみながら登り切る平坦な尾根となり1258地点へ!

3姉妹だよっ

のりちん行く

これも登りっ

ホッとしてザックを下ろした。視界約50m程度であろうか、周囲は白いガスに包まれていた。「ここから山頂が望めるのに・・・」JAJAさんが言う。おばさんが持ってきた桜餅を食べながら、、、「さぁ、どうするぅ〜〜〜」「何も見えないねぇ」、、、しばし無言・・・、、、無風だった、、、全く寒さは無い、、、「この山でこんなに風が無いなんてことはめったに無いんじゃない?」「雪質はまずまずだからまだ十分スキーで行けるね」「条件としては整っているよね」「何も見えなくてもこの際ピーク狙いで、踏んでおきますか!!!」「こんな条件なんてもう無いかもしれないしぃ」

おばさんが真っ白なガスの中に向かって進んで行く、JAJAさんが続く。確かに展望以外の条件は全て整っていた、恵まれ過ぎるくらいに〜〜〜「これならピークに立てそうだ、雪質次第で途中からツボで登っても良いし〜」私達は念のためアイゼンも持ってきていたし、JAJAさんたちはクトーも持参していた。しかしまだ全く必要が無い状態だった。

桜餅食べたよっ
1258m地点にて

ガスの中を

見えないぃ〜〜

そしてそれは突然・・・ふっと暖かさを感じた・・・何となく陽射しの気配が、「いやいや気のせいだろう、そんなにうまく事が運ぶわけは無い」そう思いながら進んで行く。しかし〜〜〜「ほらっ、あっち、青空じゃない?」指差す方向は確かに青空っぽい!「晴れろぅ〜〜〜」「晴れてくれぇ〜〜〜」「見せてくれぇ〜〜〜」そう叫びながら登って行く。そしてスーーっとガスが消えてきて、、、嗚呼何とドラマチックな幕開けが待っていたのだった。

青空っぽい!

晴れちくりぃ〜〜〜!!!

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