山頂まで残り500m、標高差150m・・・強まる風雪に撤退!

沢へ下り立ち、渡れそうなスノーブリッジを探して右へ左へ、結局標高約1080m地点で沢を渡りました、10時35分。下の写真は帰路に撮影したものですが、写真の右上と左下が遮られています。これについては後述しますが、決して指先などでレンズを遮ったものではありません。

沢を渡ってほっとひと息、ザックのサイドポケットに入れてあるミネラル飲料を取りだしました。サクサクサクッ!!もうシャーベット状態です。「う〜〜〜ん、冷たいぞぅ」

さて、一向は遂にペケレベツ岳への斜面を登り始めました。コンパスを切り直して方向を見定め、おっさんが先頭でラッセル開始です。前方には地図では見えない小さな沢地形や吹き溜まり、倒木、ブッシュが立ちはだかり、つい押し上げられるように東へ東へと進み当初の予定とは一本違う尾根を登り始めました。
その後、徐々に予定ルートへ戻ろうとしたのですが、やはり少しでも登りながらと言う意識が強く、ほぼ平行線で進み、1250m付近から大きく進路を南にとりなんとか予定ルートへ合流!

スノーブリッジ
スノーブリッジを渡る(帰路撮影)

登る
ペケレベツ岳へ向かって登り始める

「ヨシ、これでルートに乗ったぞ」そう叫びながら登り続けたのです。気温はどんどんと下がってきました。おっさんは時々カメラを取り出して撮影するのですが、カメラのフレームが顔に着くと細い針で突つかれたように痛いのです。それほど冷えきっているカメラなのですが撮影機能は順調に動作しているようでした。しかしシャッターを押すにはどうしても厚いスキー手袋を脱いで薄い手袋一枚でシャッターを押します。でもすぐに痺れるような感覚になってしまい、慌ててスキー手袋をつけるのでした。

斜度が増してきておばさんも先頭でジグを切りながら登って行きます。時折薄日は差すものの、風が一段と強くなりだし、おまけに雪も少し降り出して視界が悪くなってきました。

ラッセル〜
標高1300mを越える

「交代しますよ」koyaさんが先頭で登って行きます。確実に山頂は近づいていました。しかし風雪もまた確実に強くなってきて、自然と一行の顔は俯き加減となり、当然会話も少なくなってきて、ワサワサと登って行くこととなりぃ〜〜〜

おっさんはGPSを取り出し現在位置を確認しました。山頂まで残り500mちょっと、一行は顔を見合わせながら打ち合わせ!「どうする?このまま行けばもう少しで、、、う〜〜〜ん、あと30〜40分くらいで山頂へ立つことは出来るんだけど、、、間違い無く今より風は強いし、、、視界も当然悪い、、、これよりひどくなると帰路の滑りも足元が見えにくいから大変だ、、、何もこれ以上無理することは無い、、、ピークは天気の良い日に踏もう」

体力的にはまだ余裕があった一行でしたが、ここはピークよりもやはり安全第一、登り始めてから3時間15分、一行はついに山頂手前の標高約1380mで撤退を決めたのでした、12時20分。

吹雪き模様
一段と風雪が強まる(撤退寸前)

すぐにシールを外して滑降開始、しかし視界不良のため慎重に、、、これからまだ日勝ピークへの登りがあるのです、ここでもしもの事があったら大変ですから!!途中から登りのトレースを外れて真っ直ぐに沢方向へ、傾斜が緩み木々の間を抜けてトレースに合流! ほっとひと息ついてテルモスに入れたホットコーヒーを飲み冷たくなってしまったパンを頬張る!

いよいよ日勝ピークのコルへ向かっての登り返しが始まりました。しかし痺れるような寒さと強風との闘いは予想以上に一行の体力にダメージを与えていたわけであり、下りのトレースを追いながらも懸命に登って行くのですがペースはさほどあがらず、、、「もう少しかな、、、もうちょっとかな」と見上げるたびに前方にはまだまだ斜面が続いているわけでありぃ〜〜〜

そんな一行を時折陽射しが照りつけ、美しい輝きとなり、おっさんは後ろからそんな光景をカメラにおさめたのでしたが、、、帰ってから写真を見てビックリ。このページの一番上の写真(スノーブリッジを渡る)もそうなのですが、右上と左下が斜めに遮られていたのです。きっと寒さでレンズが全開しなかったのでしょうね。カメラケースにホッカイロを入れておくという対策はどんなもんでしょうか?

最後の登りに〜〜〜
日勝ピークへの登り返し

やっとの思いで日勝ピークのコルへ、強風の中シールを外して滑降開始です。しかし雪質が良かったのは沢寄りの斜面を少し降りたところまで、、、以降は重めのウインドパック、スキー操作がままならず、そしてハイマツ爆弾をかわしながら、慎重に慎重に、カリカリのトンネル上を横滑りしながら駐車地点へ・・・。

素早くスキー装備を片付けて車に乗りこむ、、、「お疲れさまでしたぁ〜〜〜シンドかったねぇ〜〜〜でも何かまた挑戦したいなぁ〜〜〜あの林間を滑りたい、、、きっと!」「でしょう、リベンジしたくなるでしょう」koyaさんはニッコリと微笑んでいたのです。

コースタイム(含休憩時間)
日勝トンネル 09:10  日勝ピーク東側コル1380m 10:05  渡渉地点1080m 10:35  ペケレベツ岳1380m地点 12:20-12:30  渡渉地点 13:00  日勝ピーク東側コル 14:10  日勝トンネル 14:40

GPSトラック
gps
赤は往路、青は復路


スキーコーナーへ

そしてリベンジ

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