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アップダウンを繰り返しながらの尾根歩きも、段々視界が開けて来て頂上が近づいていることを感じてくる。三角山方面や周辺の斜面を彩る新緑の美しさが心地よい。2枚目の写真は帰路に三角山付近から北へカメラを向けている。中央奥に見える尖った山は市内の三角山のようだ。

「わっ!!!」先を進むおばさんが叫んだ。「シマちゃんだよっ」、エゾシマリスがおばさんの前と通ってすぐ近くの登山道脇の茂みの中に入った。私達はゆっくりと進んで行くのだが逃げる様子は無い。頬袋をいっぱい膨らませて採餌しているようだ。望遠レンズは持ってきていないので広角レンズを装着のまま一応シャッターを押した。

やがて前方から先行していた男性グループが下って来た。「もうすぐですよ、頂上は貸切になりますよ」「ありがとうございます」そう言葉を交わしながらすれ違う。

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三角山方面を振り返る

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新緑の奥に見える尖った山は市内の三角山のようだ(帰路撮影)

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茂みの中で頬袋を膨らませるエゾシマリス(トリミング画像)

10時55分、砥石山の頂上に立った。登山口をスタートしてから3時間15分。ザックを下して汗を拭い、軽食を頬張りながら水分補給。花談義を楽しみながらの静かな頂上となった。30分ほど休憩して下山を開始した。

この頃から天気予報通りに青空が見えてきて強い陽射しが降り注ぐ。汗が噴き出してくる。登って来る人達との会話が、「暑いですね~」と夏山シーズンの定番的言葉となるほどである。

「あっ、コヨウラクツツジが咲き始めているよ」「フデリンドウが・・・」「こっちにも咲いているよ」登りでは見つけられなかった花々に気づくのは楽しい。気温がぐんと上がって花が開き始めたからかもしれない。ニリンソウに囲まれながらゆっくりと下って行く。登りではあまり気づかなかったミドリニリンソウも沢沿いの登山道脇のあちこちで見ることが出来た。

14時10分、登山口に下り立った。「お疲れさまでした~」約6時間半~沢山の花々に囲まれたゆったりペースの砥石山山行を終えた。

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コヨウラクツツジ

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フデリンドウ

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ニリンソウが咲き乱れる登山道を下る

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ミドリニリンソウ

今回の山行で見られた植物について追記する。そのひとつがエンレイソウだ。この時期はあちこちで見られる植物だが、色や形など変異の大きい植物でもある。クロミノエンレイソウとアオミノエンレイソウに大別されるようだが、変種や雑種を含めるとトイシノエンレイソウやヒダカエンレイソウ、コジマエンレイソウ等・・・どれにあてはまるのかじっくりと観察するのも面白いかもしれない。

もうひとつが4年前にこの山を訪れた時に初めて見たシダ植物の
ヒロハハナヤスリである。まだ胞子葉が出たばかりの状態だったが、拡大してみるとまさしく鑢の形状である。胞子葉は30㎝位にはなるらしいが、それも5月下旬ころには胞子を飛ばし終わり、夏には消えてしまうらしい。この時期は栄養葉の中に小さな胞子葉があり、何となく可愛いらしいイメージにも見える植物だ。

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エンレイソウ
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ヒロハハナヤスリ(シダ植物)
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