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トラバースを終える頃に視界が広がるのだが、周辺は濃いガスに包まれていた。眼下に微かに支笏湖を感じる程度だ。そのまま進んで稜線に飛び出すと、待ち構えていたかのように強風が襲いかかってきた。ガスは益々濃くなって霧雨まじりの状態となった。「932mは無いわね」「うん、お花畑を下りよう」カメラのレンズフードに水滴が付き始めていた。
一気に体感気温も下がって来るのがわかる。これだから山は怖い。このまま稜線を東山へ向かうにはレインウェア等は必須となるだろう。もちろん私達は常時ザックに入れているが。駆け込むように分岐からお花畑へと下って行く。

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樹林帯を抜けて

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眼下の視界は濃いガスに遮られて

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稜線は濃いガスと強風

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分岐からお花畑へ

この山域では地味ではあるがシダ植物が注目されるところだ。私はそれにはほとんど無知ではあるが、何度も歩いて目にしているのだからと今回はちょっと注目してカメラにおさめた。可愛い表情に見えたマンネンスギ、2枚目の画像もそれなのだろうか?緑がとても美しかった。地表を走る茎から立ち上がるヒカゲノカズラも面白い。何となくシダ植物にのめり込みそうな気がしないでも無い。

アリドオシランが咲き始めていた。花の長さは1cmにも満たない小さなラン科の植物だ。それ故に見つけるのも写すのも大変だ。ジックリと腰を下して撮影タイムとなる。

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マンネンスギ

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これもマンネンスギだろうか?

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ヒカゲノカズラ

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アリドオシラン

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お花畑を下って行くと~やっと眼下の視界が広がってきた。広大な裾野に帰路への道のりを見ながら下って行く。スタート時点での駐車場の賑わいはウソのように、歩く人の姿はまばらだ。ほとんどの人達は山腹をまっすぐに斜上して外輪山を目指しているのだろう。しかしその外輪山方面はまだ雲に覆われていた。漂う雲の下に支笏湖、その手前に広がる裾野にはやや色づき始めた葉が広がり始めていた。

11時15分、7合目ヒュッテ前に到着。駐車場はやや静けさを取り戻していた。

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眼下に支笏湖が見えてきた

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眼下に広がる裾野に帰路への道のりを見ながら

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樽前山の北斜面上部はまだ雲に覆われていた

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色づいてきた葉が広がり始め

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ハナヒリノキ

盛夏の樽前山に咲く花々の最後はネジバナとモウセンゴケである。

ネジバナはちょうど咲き始めたところではあったが、見事な株も見られた。草地や土手など様々なところで見られるラン科の植物である。螺旋状につく花が面白い。モウセンゴケは湿地などのやや湿ったところで見られる食中植物だが、この山域ではあちこちで見られる。径6mmほどの小さな花が咲くのだが~それをカメラにおさめる楽しさ?はたまらない。

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ネジバナ
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モウセンゴケの花
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行動時間(含休憩) 4時間35分  歩行距離 6.5km

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