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沢に向かってどんどん下って行く。そして最後は固定ロープがぶらさがる急斜面だ。「ゆっくりだぞっ、慎重に行け」上から私が叫ぶ。おばさんは無言でうなずきながら歩を進める。降り立ってほっとひと息つくのだが・・・そこは別世界。苔むした岩と沢の流れがとても美しい。ここは鷲別川の源流に位置するところだ。

沢のせせらぎを耳にしながら渓流沿いを進んで行く。「咲いてるわっ、綺麗よ~~~」おばさんが叫ぶ。オオサクラソウだ。その美しさを堪能しながら渓流の右岸、左岸と渡渉を繰り返す。水量は少なかったので飛び石伝いでほとんど問題はなかった。途中で大休止、たっぷりと静けさを感じながらザックを下しミネラル飲料を飲み干す。




固定ロープがぶらさがる急斜面を下る


沢へ降り立つ


苔むした岩と沢の流れが美しい


オオサクラソウ


何度も沢を渡りながら下って行く

オオサクラソウ、葉は根生して無毛の長い柄がある。似ているエゾオオサクラソウは茎や葉柄に軟毛があることで見分けられる。私的に見た印象ではオオサクラソウはとてもその葉も含めてスッキリとした美しさを感じる。エゾオオサクラソウにはもっと「厚み?」を感じるのだが。

オオサクラソウ




やがてトドマツの植林地の中を進んで行く事になる。過去の台風等の影響だろうか、あちこちに倒木が目立つ。一旦抜けたかと思うともう一度トドマツ林だ。川を渡って広い林道に出た。やや退屈になってきた頃に白鳥ヒュッテへの標識を見る。これを見落とさないように注意が必要だ、逆回りだと問題は無いのだが。ここで鷲別川を渡る、飛び石伝いで問題は無かった。


トドマツの植林地の中を進んで


林道に出る


林道分岐の標識を見逃さないように


最後の渡渉

さて、室蘭岳からここまでは下りなのだが・・・ここから白鳥ヒュッテへの登りが待っていた。長い道程の最後に待ち構えていた登り、これが結構シンドイ。途中には倒木などもあり、あちこちに不鮮明な踏み跡もついていた。それでも方向さえ間違わなければ問題は無さそうだ。やっとだんぱらスキー場が見えて来てほっとする。とても綺麗なオオタチツボスミレを見つけてしゃがみ込む。やがて南尾根コースが合流すると、一転して賑わう登山道となった。13時5分、満車状態の駐車場に驚きながら装備を解いた。

最後になるが、今回の山行でヒダカイワザクラを見ることが出来た。花がひとつ咲いているだけだったが、ここで見られるとは思ってもいなかった。ネットで検索してみると胆振地方でも生育しているらしいとあることから、見られても不思議では無いのかもしれない。そんな出会いに感謝の山行となった。


白鳥ヒュッテに向かう登りが辛い


とても綺麗に咲いていたオオタチツボスミレ


前方にだんぱらスキー場が見えて来て


ヒダカイワザクラ

コースタイム(含休憩&山野草撮影時間)

駐車場 07:20  白鳥ヒュッテ 07:35  825mピーク 09:05  室蘭岳 09:50  縦走路分岐(水元沢へ) 10:30  林道分岐 12:00  白鳥ヒュッテ 12:50  駐車場 13:05    【累計時間  5時間45分】  【歩行距離 10.7km】

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