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頂上に立っている人の姿が見えてきた。いよいよ頂上へ向かって最後の登りとなる。足元には強い陽射しを受けながら一段と濃い色合いのシラネアオイが咲き誇る。そんなシラネアオイだが、数は少ないものの白花(白っぽいも含めて)も見られた。一気に登って頂上に立った、10時40分。駐車場からゆっくり花散策モードで登って約2時間半だった。狭い頂上は大勢の人達で賑わっていた。ザックを下して~おもむろに広がる展望に目を移す。ちなみにこのピークは国土地理院の基準点では二等三角点で基準点名は「東山」となっているようだ。

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頂上へ向かって最後の登り

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強い陽射しを受けながら咲き誇るシラネアオイ

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シラネアオイ(白花)
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伊達紋別岳頂上

頂上からは予想通りの大展望が広がった。ブルーの青空の下に洞爺湖~それを囲むように山々が位置する。手前に小さく昭和新山とその奥には有珠山。そして後方にはまだ雪を抱いた白い羊蹄山やニセコ連峰がまるで絵葉書にでも出て来そうな光景となって広がっていた。700mほどの標高でこの展望が得られるのだから、人気がある山なのは当然かもしれない。

目を転じると、徳舜瞥山やホロホロ山、札幌近郊の山々も見えるのだが~それは少し遠い。それでも肉眼で山座同定を楽しむこともできる範囲ではある。

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洞爺湖を囲む山々と遠く羊蹄山とニセコ連山や昆布岳
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ホロホロ山と徳舜瞥山方面

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羊蹄山、右に貫気別山と尻別岳。右端の奥は無意根山

頂上からの展望を楽しんで水分補給を済ませ、次々と登って来る人達と入れ替わるように私達は下山を開始した。遠く駒ヶ岳を見ながら下って行く。前方に二人連れの方が立ち止まっていた。「なにか居るんですか?」おばさんが尋ねる。「ヤマゲラです、ほらあそこに」指差す方向にやっとその姿を見つけた。長い望遠レンズでは無いものの一応カメラにおさめる。ヤマゲラはすぐに飛び去ったが、こんな高所で見られたのはラッキーだった。「ありがとうございました」お礼を言って下って行く。

次から次へと登って来る人達が続いた。「こんにちは」「どうも」立ち止まり譲り合いながらの下山となった。「まるで藻岩山なみだなぁ」、私達と同じ札幌から来た人なのだろう。そんな言葉に苦笑しながら7合目で一旦小休止。登って来た単独の男性に問いかけられた。「頂上は混んでいましたか」「えぇ~大勢の人がいましたよ」「そうですか、じゃあここで食べようかな」そういいながらベンチに腰を下した。

登山道脇のシラネアオイを愛でながら尾根路を下って行く。さすがに登って来る人影も少なくなって、登山道は静けさを取り戻してきた。

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右奥の噴火湾越しに駒ヶ岳を見ながら下山

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ヤマゲラ(大トリミング画像)

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今回の山行で見られたスミレについてだが、前述のタチツボスミレやオオタチツボスミレの他には~まだ咲いていたフイリミヤマスミレや上部ではアイヌタチツボスミレも見られた。今年は初見の「アカネスミレ」はうれしい出会いだった。

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フイリミヤマスミレ

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アイヌタチツボスミレ

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アカネスミレ
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登山口が近づいてきた。どんな山でもほっとする瞬間だ。「あっ、咲き始めたよ」おばさんがうれしそうに言う。登山道脇にクルマバソウの姿があった。13時5分、駐車場へ到着。車のドアを開けた、熱気がどっと押し寄せた。


クルマバソウ

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