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流れる雲に遮られた山頂方面を見ながら進んで行く。幌満のお花畑への分岐を右に分けて~ほどなく8合目。いよいよ急な岩尾根の登りとなって来る。このあたりから花模様が一段と楽しめるところだが、足元にも十分な注意が必要だし~登山道も狭くなるのですれ違いも大変だ。「どうぞ~」「ありがとうございます」そんな譲り合いを繰り返しながら登って行く事になる。

高度が上がるにつれて山頂付近の雲が消えて来た。いつものポイントで吉田岳方面を見て、ダケカンバに囲まれた山頂へと一気に登り詰めた、11時5分。

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幌満お花畑との分岐付近

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見上げる山頂方面の雲が消えて来て

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吉田岳方面を見る

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【アポイ岳で見られた花模様 その5】

この山域で見られるダイモンジソウは小型で花弁が円いものが多い。とても可愛い印象を受ける。ヒダカトウヒレンはちょうど咲き始めたところだった。アポイ岳や道北の蛇紋岩地域で見られる固有種である。シラネニンジンの変種であるヒメシラネニンジン、とても小さくてひ弱な感じのするセリ科の植物だ。


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ダイモンジソウ
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ヒダカトウヒレン

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モイワシャジン

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ハクサンシャジン

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ヒメシラネニンジン

アポイ岳の山頂では水分補給をして~そのまま吉田岳への稜線に向かって下り始めた。ハイマツに囲まれた細い稜線が続く、いかにも日高山脈と言ったイメージを抱く光景を目にすることが出来る。それにしても~上空には青空が広がり始めて、強い陽射しが降り注いできた。風の抜ける地点では涼しいのだが、それ以外のところでは強烈な蒸し暑さに襲われた。「暑いぞ~」「暑い暑い」そう言いながら歩き続ける。

やがて大きな岩尾根を巻くようにして進んで、その先がいつもの私達の山頂だ。今回は行き交う人達の姿は無く、静かな登山道となった。周辺の花模様を満喫して、そのままアポイ岳に向かって戻って行く。目の前に見えるアポイ岳は大きく~登り返しに一抹の不安を感じるところだが、見た目ほどでは無い。

アポイ岳に戻ると寛ぐ登山者で賑わっていた。私達もそんな輪の中に入ってゆったりと昼食をとった。

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吉田岳への稜線を行く

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岩尾根を巻いて

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手前に幌満岳、奥にえりも町方面の山々

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アポイ岳に戻り始める

【アポイ岳で見られた花模様 その6】

チシマセンブリがいい感じで咲き始めていた。この時期にこの山域で見られる代表的な花かもしれない。小さな花をズームして覗いて見るとまるで宝石の輝きのようにも見える。高山に生えて丈の低い型をエゾタカネセンブリと分ける見解もあるようだが、この山ではどうなのだろう。そんな小さな花と対照的に、登山道脇でイネ科のタカネノガリヤスの穂が揺れる。背景に眼下の海岸線を配して絵になる光景だ、と私は感じるのだが・・・


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チシマセンブリ
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眼下に様似海岸を見て~タカネノガリヤス(イネ科)
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上空からは絶え間なく強い陽射しが降り注いでいた。とにかく~強烈な暑さだ。遮るものの無い岩尾根を慎重に、しかし休む事無く一気に下って行く。5合目でやっと一息ついたが、そのまま樹林帯へ入り第5休憩所で大休止だ。一息ついて~登山口へと向かう長い(長く感じる)道程を進んで行く。午後1時40分、キャンプ場周辺の賑わいを感じる駐車場へ到着。自販機で冷たい飲み物をを買って喉に流し込んだ。

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コースタイム(含休憩時間)
駐車場 06:20  5合目 07:40-07:50  馬の背 08:35-08:55  山頂 10:05-吉田岳方面稜線散歩-11:25  馬の背 12:10  5合目 12:35  駐車場  13:40  【行動時間 7時間20分  歩行距離 10.8km】

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