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第三雪渓を登りきると東平と呼ばれる平坦地に出る。この時期はそのなだらかな登山道は雪解け水が流れていて、その中をジャブジャブと漕ぎながら進んで行くことになる。ただそれほど深い流れでも無いので登山靴にスパッツで十分対応可能である。

それよりも水の流れを避けて知らず知らずに登山道を外れることもあるから注意したい。周辺はエゾノツガザクラやチングルマ、エゾノハクサンイチゲやエゾコザクラ等が咲く見事なお花畑となっているのだから。

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雪融け水の流れる第四雪渓への登山道

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周辺に広がるお花畑

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エゾノハクサンイチゲ

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エゾコザクラ

第四雪渓はほぼ夏道が露出していた。いよいよ赤岳の頂上に向かって最後の登りとなるところだ。ゆっくりではあるものの~さすがにここまで来ると多少の疲れも感じて来る。やや無言になりながら俯き加減に登って行く。

やっと斜度が緩んできたころに・・・「すごい綺麗よ~」とおばさんが叫ぶ。キバナシャクナゲがちょうど見頃となっていて~周辺に咲き誇っていた。結構傷みやすい花なのだが、ほぼ完ぺき?に近い形で咲いていた。そんな写真を撮り終わってふと足元を見ると・・・小さな可愛い花が目に飛び込んで来た。タカネイワヤナギの雌花のようである。図鑑によると「葉は表面に著しいしわがあり、はじめは白長毛がある」となっている。一枚目の写真でも白い毛は目立つのだが、近くで撮った二枚目の写真はほぼ白い毛で覆われていた。これもそうなのか?

5第四雪渓の末端へ

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第四雪渓を左に見ながら

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キバナシャクナゲが美しい
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タカネイワヤナギの雌花

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ほぼ白い毛で覆われていたのだが・・・

第四雪渓を登りきると~ほぼなだらかなな広い砂れき地を進むことになる。ほどなく赤岳の頂上も見えて来て~ほっとする瞬間でもある。そんな頂上への道のりを案内してくれるかのように花々が咲いていた。今年はあまり見かけなかった大雪山固有種であるエゾイワツメクサ、地味なところでヒメイワタデやヒメイワショウブ、さらにメアカンキンバイやミネズオウが彩りを添える。

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前方に赤岳山頂部を見ながら

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エゾイワツメクサ(大雪山固有種)

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ヒメイワタデ

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小さなヒメイワショウブ

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メアカンキンバイ

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ミネズオウ

赤岳の頂上に立ったのは午前9時25分。何度も見ている広大な光景が、この日も私達を待っていてくれた。表大雪のお鉢平を囲む山々がここで一気に目の前に展開されることになるのだ。

平日とは言えこの時期だから結構混み合うかもと思っていた頂上だが、数名の人達が寛ぐ程度の静けさだ。後から登って来る人達も少し休んでは小泉岳方面への稜線へと向かって行く。この時間帯はまだ先に進む人達が多いのかもしれない。私達はザックを下してゆっくりと大休止だ。

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白雲岳~旭岳~北海岳

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北鎮岳、凌雲岳、烏帽子岳、黒岳

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