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今回の行程は距離にして約3km、標高差は610mほどである。登山口には「山頂まで約100分」と書かれていた。比較的短時間で広がる展望と咲く花々を楽しめる山で、ファミリーで登っている方々も見られた。

ダケカンバの林を過ぎると周辺は低木帯となり、頂上に向かってジグザグと登って行く。やがてハイマツが目立つようになって視界が開けてくると、眼下に浮かぶ雲の上に出たことを知る。「見えないよね」おばさんは羊蹄山の姿を追っていた。「ちょっとこの雲では無理かもしれないなぁ」上空からは日射しが降り注いでいたが、眼下に浮かぶ雲で遠望は期待できそうにない。

8合目、さらにジグザグと登って9合目の標識を見る。「残り600mだよ」おばさんは自分に言い聞かせるように叫んだ。しかし急ぐことなかれ、これから頂上までが結構長く感じるものだ。「どうぞお先に」ゆっくりペースの私達はほぼ譲りの精神?である。一段と視界が開けた先を回り込んで徳舜瞥山の頂上へ。

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ジグザグと登って行く

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眼下に雲が浮かんで

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もうすぐ頂上

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ゴゼンタチバナが登山道脇のあちこちで咲いていた。「あっ、これはヒメタケシマランね」先週のニセコ連峰でも見たのだが、その撮影には手を焼いたので、今回はカメラを向けない・・・つもりだったが・・・「これなんかいいんじゃない」そんなおばさんの言葉につられてカメラを向けた。コミヤマカタバミもいい感じ咲いていて、花弁に濃いピンクの筋が入ったものも見られた。まだひっそりと咲き残っていたミヤマスミレとミヤマエンレイソウも、もちろんカメラにおさまった。

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ゴゼンタチバナ

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ヒメタケシマラン

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コミヤマカタバミ

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ミヤマスミレ

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ミヤマエンレイソウ

頂上に飛び出すと目の前に大きなホロホロ山が姿を見せた。その縦走路は1時間ほどで往復できるのだが・・・何度か歩いた路ゆえに今回の私達はここまで。目を転じるとオロフレ山方面が少し雲が途切れていたものの、他はほぼ雲に遮られていて遠望は無い。

展望狙いの山行ならちょっと残念な気持ちになるところだが、私達は頂上岩場に咲く花々に歓声をあげることになった。岩肌を埋めるミヤマアズマギクが見事な絵になって目に飛び込んできた。「綺麗だね~」「すごいわぁ」そんな声があちこちから聞こえて来た。

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目の前にホロホロ山を見て

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ホロホロ山

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オロフレ山方面

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岩肌を埋めるミヤマアズマギク

上部で咲き始めていたカラマツソウはこれからが見頃となりそうだ。頂上に咲くミヤマオダマキはほぼ終盤だったが、手前の登山道脇では咲き始めたものを見ることも出来た。
「きっともう終わっているよね」そう思っていたのだが、「あっ、咲いてる」・・・・まだ咲き残っていたウスバスミレとの出会いにカメラを持つ手に力が入る。円心形の薄い葉と小さな花は触ると壊れそうな脆さを感じる美しさであった。

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カラマツソウ

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ミヤマオダマキ
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ウスバスミレ
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