title 

5月10日に強風で途中撤退したアポイ岳。やはりこの時期にもう一度登りたいと言う思いから~2017年5月28日、私達は再度アポイ岳に向かっていた。駐車場から入山ポストへと向かう道は霧に包まれていた。

1

早朝のアポイ岳ビジターセンター前の駐車場、周辺は濃い霧に包まれていて視界不良の状態だった。私達はしばらく待機することにした。前回は途中撤退しているだけに、その二の舞は踏みたくないとの思いからだった。何台か車がやって来て、皆なんのためらいもなく登山口に向かって行く。そのうちキャンプ場にとまっていたのか、団体さんも続いた。「う~~~ん、どうだろう」「どうする?」そんな判断が迫って来た。私達の登山スタイルから(花々を愛でながら歩く)その最終判断は7時半と決めていた。

「ヨシッ、行こう」霧に濃い霧に包まれてはいるものの風は無い。最悪の場合はまた途中撤退することを含めて~私達は樹林帯に入って行った。前回からもう2週間以上もたっていて、さすがに登山道脇のエゾオオサクラソウはほぼ終わっていた。いつしか周囲の霧も薄れてきて~「ひょっとして雲海の上に出るか?」などと微かな期待も広がる。あまり立ち止まることもなく1時間強で5合目に飛び出した。「どうだ、どうなんだぁ」と声には出さずに目を凝らす。周辺は濃い霧に包まれて何も見えない。

2
途中の休憩所

3

4
5合目へ

4

「あっ、チゴユリよ」おばさんが叫ぶ。私達はこの山では初めて見た。それだけ登る時期が偏っているためなのだろう。エゾノハクサンボウフウ共々まだ咲き始めたばかりだった。ミヤマハンショウヅルとハクサンチドリは開花前、咲き始めたばかりの小さなヒメナツトウダイ、上部の岩場ではまだアポイタチツボスミレが見られた。四季折々に咲く花々の変化はとても見応えがある。

5 6
チゴユリ

エゾノハクサンボウフウ

7 8
ミヤマハンショウヅル

ハクサンチドリ

9 10
ヒメナツトウダイ

アポイタチツボスミレ

湿度は100%?かもしれない、十分水分補給をして馬の背へ向かって岩尾根を進んで行く。ちょうどヤマツツジが咲き始めていて、白い霧を背景にしてその紅色が浮かび上がっていた。これからはもっと周辺を彩ることだろう。

前回途中撤退した7合目を通過、霧はどんどん濃くなってきて~もちろん視界は不良状態。ただ幸いなことに風は弱くまだ雨になりそうにもなかった。早くも下山して来る人とすれ違う。「上はどうでしたか?」「早い時間は少し切れ間もあったんですが、また霧が下りて来てしまいましたね、風は弱かったです」「そうですか、ありがとうございます」、お礼を言ってすれ違う。私達のすぐ後に続いて登って来た人達も、その人に同じことを聞いていた。やはり気象状況は気になるものだ。

馬の背に出た、もちろん何も見えない。ザックを下して水分補給、「まぁ、風が無いからね」「頂上まで行けそうね」そう言葉を交わしながら立ち上がった。

11
馬の背へ向かって登り始めた

12
咲き始めたヤマツツジ

13

14
霧に包まれた馬の背

この時期は樹木の花も楽しい。ヒロハヘビノボラズ、岩尾根のあちこちでその可愛い花が咲き始めていた。エゾシモツケもこれからだろう、半球形に多数集まって咲く花が霧に濡れて初々しい。ハイマツの雄花もその色合いから強烈に目に飛び込んで来る。

アポイクワガタはちょうど咲き始めたばかり、小さなミヤマオダマキが何とも言えず可愛らしい。


15
ツマトリソウ

16
落葉低木 : ヒロハヘビノボラズ

17
落葉低木 :エゾシモツケ

18
常緑低木 :ハイマツの雄花

19
アポイクワガタ

20
ミヤマオダマキ

登山ものがたりへ 次のページ HOME