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天気予報ではこのところ続いた好天続きもそろそろ終わりそうだった。「行こうよ」と阿吽の呼吸で樽前山を目指すことにした。昨年もほぼ同じ時期に登っているが、もう一度咲く花々を確認したいのと、天気の良いうちにあの心地良い外輪山歩きを楽しみたいと言う気持ちもあった。

2016年7月25日午前7時40分、まだ閑散とした樽前山7合目ヒュッテの駐車場に到着した。出発準備をしている人達が数人程度、私達も早速装備を整えて静かな駐車場を後にした、7時55分。今回の行程は昨年と同じく、風不死岳方面に向かって途中の分岐から932m峰の東側斜面をトラバース、稜線に出て外輪山に向かって登り東山ピークを経て~樽前山7合目ヒュッテへと下山するパターンである。距離にして約7kmほどである。

ミヤマホツツジが咲き始めた背の低い樹林帯を抜けて、樽前山の広い裾野に出ると一気に視界が広がる筈だが・・・前方はまだガスに包まれていた。「大丈夫、きっと晴れてくるぞ」と確信しながら進んで行く。風は弱く気温もそれほど上がっていないから、足元に咲く花々を楽しみながらゆっくりと進んで行く。
「ほら、青空が見えて来たぞ」あっと言う間にガスが途切れ始め、前方には風不死岳が見えてきた。沢地形を越えてゆっくりと登って行く。振り返っても他の登山者の姿は無い。「静かだね~」そう言いながら風不死岳分岐で小休止、水分補給をしながら近くにまだ綺麗に咲いていたタルマイソウに目を向けた。


風不死岳方面への登山道へ


背の低い樹林帯を抜けて


ガスに包まれた樽前山の裾野を行く


ガスが途切れてきて


前方に風不死岳が見えてきた




風不死岳分岐へ



【樽前山に咲く花々 その1】

ノギラン
 
   ウラジロタデ

 タルマイソウ

オオウメガサソウ

 

分岐からは風不死岳に向かって何度か沢形を越えながら進んで行く。立ち止まり足元に咲く花々にカメラを向けて~時々振り返って周辺に広がる光景を見つめ~藪の中に物音を聞いて熊よけ鈴を揺らしてみる。野鳥か小動物の動く音かもしれないが、こちらの存在を知らせる意味でも熊よけ鈴の音も必要だ。

途中の分岐から932m峰の東側斜面をトラバースしながら樹林帯を進んで行く。前方からやっと3名の登山者がやって来た。「えっ?もう行って来たんですか?」「いえ、ぐるっと回って来ただけです。これから風不死岳に? どうぞお気をつけて」、今回の山行で初めて出会った人達であった。

樹林帯を抜けると一気に視界が開けて強い日射しを受けた。溶岩ドームと火口原を囲む外輪山が目に飛び込んで来た。私はカメラを構えながらおばさんの後を追った。


分岐から風不死岳方面に向かって




次の分岐から932m峰の東側斜面をトラバース


樹林帯を抜けると


一気に視界が広がり溶岩ドームが見えてきた

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