「久しぶりに目国内岳(めくんないだけ)なんかどうかしら」「最近今時期にニセコ山系を歩いていなかったね、ちょうど花も楽しめそうだし・・・」、このところ雨模様の天気が続いていたが、どうやら日曜日だけは何とか持ちそうな予報である。

2016年6月19日、早朝に札幌を出発して午前7時過ぎに登山口である新見峠に着いたのだが・・・駐車場はもちろんのこと、周辺の道路脇も車でいっぱい~そう、タケノコ採りシーズンだったのだ。「ちょっと時間差で行こうか」とそのまま神仙沼へ向かった。ここもタケノコ採りの方々の車が結構とまっていたが、まだ十分の余裕である。車を止めて神仙沼へ~約2kmほどの散策を楽しんで、再び新見峠へ。運良く駐車場に1台分のスペースを確保した。ほっとしながら装備を整えて登山口に立つ、午前9時ちょうど。

登山道はすぐに背丈以上の根曲り竹の廊下?に入って行く。時々笹が揺れてドキッとするが、人影を確認して胸をなでおろす。それにしても周辺に鳴り響くサイレンのような音と、揺れる笹の中に見る人影が多い。そんな光景に見送られるようにして登って行く。登山道には各合目標識がぶら下がっている。

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入山ポストのある登山口

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根曲り竹に囲まれて

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合目標識がぶら下がっている

登り始めてから15分ほど、「わぁ~咲いてるわよっ」おばさんが叫んだ。登山道脇を埋め尽くすかのように咲くフギレオオバキスミレだ。もう終わっているかもとちょっと心配だったがまだ綺麗に咲いていた。深く切れ込んだ葉の上に可愛い黄色の花をのせる。この山では4年ぶりの再会だが、葉の存在感と群生するさまには圧倒される。

やっと根曲り廊下を脱出?すると、登山道は大きくカーブして前目国内岳に向かっての登りとなる。振り返ると手前に白樺山、奥にシャクナゲ岳やチセヌプリがやや霞んで見えて、遠く雲海も広がっていた。

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登山道脇を埋めるフギレオオバキスミレの群落は圧巻だ

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フギレオオバキスミレ(スミレ科)
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やっと根曲り廊下?を出て

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前目国内岳に向かって

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振り返ると白樺山、シャクナゲ岳、チセヌプリが見えていた

【目国内岳に咲く花 その1】

この時期に登山道脇に咲く花々は圧倒的に白い色が多かった。ちょうど見頃だったナナカマドの花、ツバメオモトやサンカヨウはほぼ終盤、ツマトリソウはあちこちで見られた。ゴゼンタチバナも良い感じで咲いていた。苞葉が緑色のものもあり、ネットではミドリゴゼンタチバナとしているものも見受けられるが、それは咲き始めの状態だと思われるのだがどうだろうか。

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ナナカマド(バラ科の落葉樹)

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ツバメオモト(ユリ科)

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サンカヨウ(メギ科)

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ツマトリソウ(サクラソウ科)

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ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

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ウコンウツギ(スイカズラ科の落葉低木)

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マイヅルソウ(ユリ科)

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オクエゾサイシン(ウマノスズクサ科)

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ミツバオウレン(キンポウゲ科)

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ツルシキミの雄花(ミカン科の低木)


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