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昨年、私達の大雪山山行は旭岳から始まった。ロープウェイ終点駅から裾合平方面を少し散策、その後おばさんは池周辺で野鳥観察、私は単独で旭岳に登った。「今年も始まりは旭岳にしようよ」「そうね、去年と同じパターンで楽しみたいわ」、昨年は池周辺で美しいギンザンマシコをみていたおばさんもすっかり乗り気である。

2016年7月6日早朝、旭岳温泉の公共駐車場に到着した。既に沢山の車がとまっていて、出発準備をしている人やロープウェイへ向かう人で賑わっていた。車も本州ナンバーやレンタカーが多いのに驚く。まだ花の開花にはやや早い時期でもこの通りだから、最盛期の賑わいは容易に想像できる。私達も何となくそんな雰囲気に押されるように装備を整えてロープウェイに向かった。6時30分、始発便の改札が始まった。「はい、あと5名です」ぴったりとその定員におさまって乗り込んだ。

6時50分、私達は目の前に旭岳を見ながらロープウェイ終点駅をスタートした。この時間では池周辺を散策する人よりも、旭岳へ向かう人の方が多かった。10名程度のツアー登山のグループが2組、他は少数のグループの人達だ。私達はそんな賑わいを避けるかのように、途中の分岐から当麻岳方面を見ながら第3展望台へ向かって行く。この日の天気は無風の高曇り、花の撮影にも野鳥の撮影にも最適である。
ほどなくして~擂鉢池に写る旭岳を見て第3展望台に到着だ。

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ロープウェイ終点駅からスタート

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当麻岳方面を見ながら第3展望台へ向かう

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第3展望台にて

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擂鉢池と旭岳

「じゃあ、行って来るよ」「気を付けてね」、昨年はここから裾合平へ向かったのだが、今回はここでおばさんと別れて私は単独で旭岳に登ることにしていた。池周辺を巡りながら咲き始めたイワヒゲやイソツツジにカメラを向ける。第4展望台から美しい擂鉢池を見る~おばさんの居る第3展望台がちょうど向かい側に見えていた。
池巡りのこのコースにも登山者がやって来た。私はゆっくりペースだから「どうぞ~」そう言って路を譲る。周辺にエゾノツガザクラの群落が目立ち始めた。まだ咲き始めでもこの色合いだから、もう少しすると見事な絨毯が広がるに違いない。花々の開花には少し早いのは知っていたが、最盛期の賑わいを考えるとこの日が私達のベストチョイスだと思っていた。

まだ雪の残る姿見の池の縁を歩いて~賑わう愛の鐘へ、立ち止まることなく旭岳石室(横にトイレブースあり)を右に見て第5展望台へ向かった。

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第4展望台から擂鉢池を見る

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エゾノツガザクラの群落

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エゾノツガザクラの絨毯とキバナシャクナゲ

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エゾノツガザクラと旭岳

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姿見の池

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イワヒゲ

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コケモモ

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鏡池を背景に咲くイソツツジ

第5展望台には誰も居なかった。広がる展望を楽しみながら周囲の花々を撮影して~ザックを下して水分補給、深呼吸をして~「さてっ」と立ち上がる。「声を出さないと立ち上がれない?」私は苦笑いしながら旭岳へ向かって歩き始めた。登山道脇にはメアカンキンバイやコメバツガザクラが咲き始めていた。そんな花々を楽しみながらの登りも、ほどなくして火山れきと火山灰に覆われた尾根が続くことになり、もちろん咲く花々を見る事も無い。第5展望台を出て10分ほどで6合目の標識を見た。

ペースを上げ過ぎないように~ゆっくりと登って行く。時折追い越されるものの、私はあまり休憩時間をとらないので又追いつく。カメさんのペースとでも言うべきか。と、前方の岩の間を動くものが視線に入った。「シマリスだっ」進行方向だからそのまま進んでパチリ。望遠レンズでは無いから証拠写真である。シマリスの姿はすぐに見えなくなった。池周辺ならまだしも、こんな過酷な環境の中で生きていることには驚きだった。

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第5展望台

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旭岳に向かって歩み始めた

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6合目

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シマリスが・・・見えますか?(トリミング画像)

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メアカンキンバイ

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コメバツガザクラ

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