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広大な牧場跡を登山口へ向かって車を走らせる。一気に視界が広がって思わず歓声をあげた。連なる山々の奥に、目指す豊似岳がまだ白い姿で鎮座していた。2015年4月19日、私達にとって今年の夏山シーズンが始まった。

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左がオキシマップ山、中央奥が目指す豊似岳
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毎年恒例となっている、えりも山岳会の春山登山。今年もお誘いを受けて参加した。目指すは豊似岳、2003年にえりも町の友達と初めて登って~その広がる光景に感激、以来毎年のようにえりも山岳会のお世話になり、豊似岳から観音岳やオキシマップ山等を踏破した。この毎年の春山行が私達にとっての夏山シーズンの始まりを告げると行っても過言ではない。

やや風があるものの天気は上々、早速装備を整えて総勢15名~予定通り8時ちょうどに登山口をスタートした。なだらかな作業道跡を進んで行くと尾根末端、広くて急な斜面を登り始める。シーズン最初の山行である、自分の体調を測りつつ息を整えながらゆっくりと歩を進める。

今年の冬は1度支笏湖の幌平山にアルミワカンで登ったきりである。かと言って冬籠り?していたわけでも無いが~念のため事前に藻岩山に登ってみた。夏山装備一式に400mmのレンズもザックに入れて、まだところどころ雪が残る登山道をそれほどストレスも無く歩いた。「まだまだ大丈夫だな」そんな確信を得ながらの今回の山行であった。

標高530m付近で一旦視界が広がって百人浜やえりも岬方面を見る。

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登山口

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広い尾根を登り始め・・・

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標高530m付近で一旦視界が開ける

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眼下に百人浜が広がる

やや白っぽくて細いミズナラの木に囲まれながら登って行くと~やがて653m標高点に向かっての急な大斜面となる。標高差は100mほどだが笹に覆われていて滑りやすく、しかも小さな岩があちこちに隠れているので特に下りでは注意が必要だ。小さくジグを切りながら登る人、獣道を辿って一直線に登る人・・・時々立ち止まり~振り返り~また登って行く。
この急斜面を登り切るとゆるやかな尾根となり、標高約720m付近から尾根の東側に張出した雪庇上に出た。

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653m標高点に向かって登る急斜面

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振り返るとえりも岬方面が・・・

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標高720m付近から尾根の東側に張出した雪庇へ

ザックを下して小休止、春の陽射しを浴びながら水分補給。いよいよ見上げる高さの稜線に向かって標高差約280mの一直線の登りが始まる。心配された雪庇だが、しっかりと締まった状態で程良い歩き易さだ。振り返ると百人浜からえりも岬へと広がる光景が一段と美しい。

今回の行程だが、距離にして約4.5km、標高差約770mである。稜線までの標高差は約670mだから、この尾根上の登りをクリアすればあとはアップダウンの稜線歩きで山頂だ。

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稜線に向かって一直線の登りが始まる

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えりも岬を背景に・・・

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百人浜からえりも岬へと広がる光景が美しい

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