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天気模様があまりすぐれず、かと言ってまだ大雪山を目指す気持ちにもならず・・・8月12日にアポイ岳に登って以来~山から遠ざかって?いた。
2015年8月30日、やっと重い腰を上げて4年ぶりの尻別岳(1107.3m)留寿都コースを歩くことにした。この日の予報は『午前中は晴れ間も~午後から曇り、ところにより雨も・・・』、「よし、午前中勝負だな」私はそう呟いて登山口に向かって車を走らせた。国道からはしっかりと尻別岳が見えていたし、羊蹄山もまだ山頂部が雲に隠れているものの時間の経過とともに見えてくるだろうと楽観していた。

早朝の登山口に一番乗り、朝の陽射しを感じながら登山道に入って行く。このコースの行程であるが、標高差にして約460mと手ごろ感はあるのだが、773m地点から一旦下って~723mのコルから標高差約300mの急登がポイントとなる。「まあ、ゆっくりペースで行こうよ」いつものことだがそんな言葉少ない会話をしながらゆるやかに登って行く。右手にスキー場のリフト終点駅を見て進んで行くと、やがて前方に山頂部が見えて来るがまだまだ遠い。

一旦樹林帯に入って773m地点への登りとなる。急な斜面ではあるが、標高差100mほどだから比較的すんなりと登り切ってしまう。

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前方に山頂部が見えて来る

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773m地点への登り

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斜面を登り切って

さて、今回の山行についてだが~咲く花々を楽しみたいと言うことと、これから始めるであろう紅葉を求めての山行への体力的な備えも兼ねていた。

登山道脇には、ちょっと地味だがしっかりと季節感を受け止める花々が咲いていた。つる性のミヤマニガウリ、野山のあちこちで見られるラン科のネジバナ、シダ植物のフユノハナワラビ、そしてキンポウゲ科のサラシナショウマが揺れる。いつも通りおばさんが先頭を歩いて「あっ、咲いてるよ~これ綺麗だよ」と立ち止まる。
果実がまだ赤いオオカメノキの葉は紅葉し始め~、そしてやや葉先が尖ったものはミヤマガマズミだろうか。木々の葉の奥に隠れるように咲いていたツルニンジンを見つけ、赤い果実をつけた小低木はコマユミかも・・・、まだ咲き残っていたエゾシオガマを見つけた。


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ミヤマニガウリの花

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ネジバナ

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フユノハナワラビ

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サラシナショウマ

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オオカメノキ

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ミヤマガマズミ

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ツルニンジン

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コマユミの、果皮が裂開する前の果実

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エゾシオガマ

773m地点を過ぎると右側の視界がぐんと広がる。眼下にルスツリゾートを見て~遠く洞爺湖方面の山々が見えて来る。北側はやや雲が多かったが、振り返る南側には青空も広がっていた。「段々良くなるのかな?、今日にして正解だったかな?」と内心ほくそ笑む。

しかしそんなおだやかな気持ちも、前方に立ちはだかる山容にあっさりと打ち砕かれそうになる。尻別岳の山頂部はあまりに大きく、そして一旦コルへと下って行くにつれて~標高差約300mの一直線に登る登山道が目に飛び込んで来るのだ。


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眼下にルスツリゾート、奥には洞爺湖方面の山々が見えて来る

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目の前に立ちはだかる尻別岳

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標高差約300mの登山道を見ながらコルに向かって下る

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