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振り返ると武利岳から支湧別岳へと連なる稜線が見えていた。まだ雪渓が残っている頃には白い雪と新緑、そして遠く連なる山々がとても美しいところでもある。それを見るためには時期的にもっと早く登らなければならない。それは稜線上に咲くコマクサ等がちょうど旬を迎える頃である。しかし私達がこの時期に登るのは、これから紹介出来るであろう花々を見るためであり、そしてもう終盤を迎えている花々も加えると実に多くの花を楽しめることもある。

話しを第一雪渓に戻すと~まだ咲き残っていたエゾノリュウキンカ、そして雪渓跡の斜面にはシラネニンジンやエゾコザクラ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラが見事に咲き誇っていた。
「この緑、とっても綺麗ね」おばさんが近くのシダ植物を指差した。この系統の植物にあまり関心が無い(知識が無い)私達であるが、視覚的に飛び込んで来たその美しさには目を見張るものがあった。これは事前にガイドブックで見たオクヤマワラビなのかもしれない。


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第一雪渓上部から振り~武利岳から支湧別岳へと連なる稜線を見る

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まだ咲いていたエゾノリュウキンカ

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シラネニンジン咲く斜面

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雪渓跡の斜面に咲いていたエゾコザクラとミヤマキンバイ
画像クリックで幅1024ピクセルの画像表示(アオノツガザクラ、エゾコザクラ、ミヤマキンバイ)

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オクヤマワラビ?
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第一雪渓を過ぎると今回の行程では一番の登りが続くところとなる。上空に広がり始めた雲に日射しが遮られて、それほど暑くも無い。何となくそんな雲に助けられるようにゆっくりと登って行く。

ハイオトギリがちょうど見頃を迎えて輝き、咲き始めのエゾノレイジンソウ、そして終盤を迎えつつあったアラシグサ、エゾツツジ、モミジカラマツと続く。


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ハイオトギリ

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エゾノレイジンソウ

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アラシグサ

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マルバシモツケ

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エゾツツジ

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モミジカラマツ

チングルマが咲き乱れる岩れきの斜面を楽しみ、更に登って第二雪渓へ。ここも小さな雪田が残る程度であった。チシマノキンバイソウやミヤマキンポウゲが見頃を迎え、ウメバチソウが咲き始めたところ。このウメバチソウだがエゾウメバチソウと分けることもあるらしい。私的には美しければ良い方なので、花のバランスを見ながらこれぞっと思った個体にカメラを向ける。

「あっ、ほらっ」私は前方を歩くおばさんに声をかけた。ホシガラスが飛んで来て雪田に下りたのだ。見ていると盛んに何かを口に運んでいた。おばさんも気づいてシャッターを押す。ちょっと遠かったのだが何とか撮れたようである。

視界がぐんぐん開けて来て~稜線はもう目の前だ。


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チングルマ

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第二雪渓

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チシマノキンバイソウ

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ミヤマキンポウゲ

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ウメバチソウ

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もうすぐ稜線

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第二雪渓で採餌していたホシガラス(おばさん撮影) トリミング画像です。

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