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2015年7月10日早朝、私達は十勝岳温泉の駐車場に立った。雲ひとつない青空、眼下の富良野盆地の彼方には樺戸山地と増毛山地のシルエット、小さく尖った黄金山も確認出来た。
装備を整えて午前6時5分、安政火口へ向かう散策路を進んで行く。今回の行程は富良野岳へのピストンである。昨年は7月25日に登っていたが濃霧と強風で富良野岳・肩分岐で引き返していた。この日は全くそんな心配は無さそうである。金曜日ではあるがさすがに人気の山、次から次へと登山者が続く。

早速足元に咲く花々に目を移す。アカモノが咲き始め、立派なノビネチドリを見つけ~エゾノマルバシモツケやマルバシモツケはまだ咲き始めたばかり。「こりゃあ、やっぱりまだ早かったのかな~」そんな印象を受けつつ安政火口下の涸れ沢を渡って行く。


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十勝岳温泉駐車場から~富良野盆地の彼方に樺戸山地と増毛山地のシルエット

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安政火口に向かって

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アカモノ

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ノビネチドリ

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エゾノマルバシモツケ

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マルバシモツケ

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涸れ沢を渡る

咲き始めたイソツツジを見ながらD尾根を斜めに登って行く。高度が上がるにつれて展望もぐんぐん広がって来る。「今日は最高の天気だね」そう言いながら黙々と進んでD尾根を回り込んで最初の沢の雪渓へ。先を進んでいるお二人が慎重に足元を確認するように登っている。雪渓の日陰の部分は固く、朝の冷え込みで一部凍っているようにも見える。斜度はゆるいのであまり危険は無いが、私達も慎重に後に続いた。

この雪渓を渡り切って上ホロ分岐、そのまま進んで前方に大きな山容の富良野岳を見ながら三峰山沢へと下って行く。視線の先にこの山域のスケールの大きさを感じるところでもある。


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D尾根を斜めに登り

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イソツツジ

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最初の雪渓下部は固かった

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富良野岳を見ながら

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三峰山沢へ向かって

更に涸れ沢を渡り、長い階段を登って小さな雪渓を渡り~主稜線の下を徐々に高度を上げながら進んで行く。「何か寂しいわね」このあたりはいつも何度も休憩しながら花々の写真を撮っているところが、、、今回はその頻度?がやけに少ない。「まだこれからなのね~」ちょっと残念そうにおばさんが言う。それでも何とか小さなヒメイワショウブを見つけて、「これ咲いてるぞ」としゃがみ込む。

本当はもう少し後に富良野岳を登りたかったのだが、スケジュールがとれずにこの日の山行となった。そんな意味では咲いていてくれた花々に感謝である。
「わぁ~見えてるよ~」おばさんの歓声に振り返ると、十勝岳とその左奥に旭岳、さらに彼方には天塩岳が見えていた。ゆっくりとファインダーを覗く、こんな展望もなかなか見られるものでは無い。シャッターを押して~ザックをおろし水分補給をしながらもう一度広がる光景を楽しんだ。


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涸れ沢を渡り
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長い階段を登り

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ショウジョウバカマ

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サンカヨウ

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エゾノツガザクラ

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エゾコザクラ

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ヒメイワショウブ

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振り返ると十勝岳と左奥に旭岳

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旭岳とその山裾の彼方に天塩岳をズーム


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