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2015年8月9日、今シーズン2度目のアポイ岳を目指した。午前7時10分、入山届けを記入しようとしてページをめくると~前日の最後の記入の後に「クマみたよ~」と書かれていた。何処で何時頃とかは書かれていない。熊よけ鈴を再確認してそのままスタート、樹林帯入口にある「熊出没注意」の看板に描かれたクマのイラストが妙に目立つ。

クマよけの鐘をひとつ突いて樹林帯に入って行く。上空は曇り空、天気予報では午後から晴れ間も出るようで悪化する恐れは無いようだ。気温はそれほど高くは無いものの、湿度がかなり上がっているようですぐに汗が噴き出してくる。「このあたりからかしら」そう言いながら登山道脇に咲き始めたオオヤマサギソウを見つけた。


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樹林帯へ

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休憩所前の案内板は新しくなっていた

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オオヤマサギソウ
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「キョーン、キョーン」静かな森の中にクマゲラの声が響く。「近いぞ!」「あっちかな?」、おばさんは静かにゆっくりと歩を進めて行く。「キョーン、キョーン」再びクマゲラの声、しかしその姿は見えない。やがてその声も森の奥へと消え去った。

花の名山とは言え、今時期には5合目付近まで見る花々は少ない。これから咲き始める花々の蕾を確認したり、沢沿いに咲く「ホツツジ」を見つけてカメラを向ける。ホツツジは高さ1~2mほどで花柱はわずかに曲がる程度だ。尾根上では花柱がくるりと上に曲がる「ミヤマホツツジ」も見られた。

蒸し暑い樹林帯を抜けて5合目に飛び出す、8時30分。視界は広がったが山頂方面はガスに覆われていた。「このままで良いな~」何度も登って展望は確認している。出来れば強い陽射しを避けて登りたかった。幸い風は弱く花の撮影にも絶好である。ザックを下してしっかりと水分補給だ。


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5合目へ

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ホツツジ
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こちらはミヤマホツツジ

馬の背に向かって岩尾根を登って行く。「どんな花が咲いているかしら」、ここからが今回の山行の狙いである花々との出会いの始まりだ。「あっ、イブキジャコウソウよ。これはホソバトウキかな?」樹林帯歩きから一変して私は忙しくなる。汗を拭き拭き何度も何度もしゃがみこむのだ。息を整えて、カメラを構えて、息を止めてシャッターを押す、立ち上がり「ふぅ~っ」と大きくため息。これが厳しい行程の山登りでは結構インパクトがある。出来るだけザックを軽くして負担軽減したいのだが、必要最低限の装備からは離れられない。
「毒ヘビ注意」の看板が立っている岩場で、あまり得手では無いマムシを見かけた。花の撮影に夢中になっている時などには注意が必要である。

9時30分、馬の背に飛び出した。もちろん遠望は無く山頂方面もスッポリとガスに包まれたままである。ザックを下して大休止、軽食を頬張りながら冷たいドリンクで喉を潤す。この頃から登って来る人達の姿も目立ち始めた。


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5合目から馬の背へ向かう

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岩尾根を進む

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ホソバトウキ

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イブキジャコウソウ

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アポイハハコ

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ネジバナ

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