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登山道脇に咲いていた花々~タガネソウ(カヤツリグサ科)があちこちに見られ、エゾイチゲとチゴユリは咲き始め、、、「これは凄いわよ~」おばさんが綺麗に咲きそろったキスミレの群落を見つけた。それはこの地域の山々に多いケエゾキスミレであった。アポイ岳等に咲くエゾキスミレと似ているが、葉にそれほど光沢は無く柔らかな印象を受ける。

「うん、良いね~」私はそう言いながらザックを下してしゃがみ込みファインダーを覗いた。カメラの設定を再確認してシャッターを押そうとしていると・・・「わぁ~~~こっちこっち、こっちの方が凄いわ」とおばさんが叫ぶ。「待て待て」私はそう答えながらシャッターを押した。そんなやりとりが繰り返される登山道は、登りの苦しさを一時忘れさせてくれる。

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タガネソウ(カヤツリグサ科)

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エゾイチゲ

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ケエゾキスミレ
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チゴユリ

水分補給を済ませて一旦下って行く、目の前には見上げる高さの大きな山肌がぐんぐんと迫って来る~かなりのインパクトだ。私は「これが日高の山さ」などと捨て台詞をはきながら、黙々とおばさんの後を追う。標高差100m強の急斜面を一歩一歩ゆっくりではあるが一気に登って行く。
やがて前方に大きな岩が見えて来た、蛙岩である。その右を巻いてさらにひと登りで二の森に到着した。この地点で標高約1020mだから、山頂までは標高差で言えば残り200mを切っている。距離にしてもあと800mほどなのだが・・・

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一旦下って

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蛙岩を左に見て

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二の森

急斜面で一汗かいた私達はミネラルドリンクを飲み、干し梅を食べて塩分補給、これから続く変化に富んだ稜線の登りに備えた。ここから山頂まで続く「私達にとってはスリリングな登山道」が今回の山行の核心部と言える。

「ヨシ、行こうか」目の前に大きな不動岩を見て・・・更に大小の岩を交わしながら進んで行く。「あぁ~ここよね、イヨイヨね」おばさんが10年前の山行を思い出しながら言う、急斜面のロープ場だ。大木の根が張りめぐる急斜面、足場を確保して慎重に~ところどころでロープを補助に使って登って行く。「ゆっくりだぞ!」私は下から声を張り上げた。

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不動岩

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急斜面のロープ場をよじ登る
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