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2014年7月2日早朝、私達は層雲峡温泉公共駐車場で目覚めた。上空は濃いガスに包まれていて、いつ雨が降ってもおかしくない状況にも思える。しかし、天気予報はそれほど悪くも無く、昼前後からは晴れ間もあるようだ。「これよりは悪くならないだろう」との安易な私の予測をもとに、黒岳ロープウェイの駐車場に移動した。
「あらっ、雨?」車のフロントガラスに雨粒が落ちて来た。観光客でいっぱいの始発のロープウェイが5合目に向かって進んで行く。「今日はゆっくりスタートにしようよ」装備を整え、レインウェアの上だけを着て後発のロープウェイに乗り込んだ。私達の他には単独の登山者が2名のみ、一気に5合目駅へ移動、、、一段と濃いガスに包まれた。リフト乗り場へ向かおうとすると、スタッフの方から「レインの下も履いた方が良いですよ、こんな状態で15分くらい乗りますから濡れてしまいます」とのアドバイスをいただく。早速レインの上下を着て、カメラもビニール袋に包んでザックへ入れてリフトに乗り込む。

7合目リフト終点駅ももちろん全く展望は無い、細かい雨が(いわゆるジリ状態)間断なく降り続けていた。午前7時40分、入山届けを済ませて登山口をスタートした。まだ所々雪に覆われた登山道は~やがて大きな残雪上をジグを切りながら登って行く。この時期になると雪は腐っていてある程度気温が上がっているとアイゼンの必要は無い。残雪上の歩きに慣れている人にとっては、大小の岩や階段の登山道よりもむしろ歩きやすいくらいだ。もちろん滑落や踏み抜きには十分注意は必要である。

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5合目ロープウェイ駅は濃霧だった。

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7合目登山口も濃霧だった

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7合目と8合目間の大きな残雪、先行ステップは大きくジグを切って進んでいた。

「こんにちは~」前夜石室泊だった人達が下りて来た。「下は雨模様ですか」「えぇ~レインウェアは必須ですよ。上はどうですか?」「良い天気でしたよ、お花も綺麗でしたし」・・・そんな言葉を聞いて私達のモチベーションはどんどん上がってきた。

高度が上がるにつれて、上空からは明るさが感じられてきた、「ほらほら、きっと晴れて来るよ」。小雨も止み時折日射しを受けるようになると、一気に暑さに見舞われた。あわててレインウェアを脱ぎ水分補給だ。
「さあ、行こうか」足取りも軽く登山道脇に咲く花々を楽しみながら登って行く。「綺麗だね~」咲き始めたばかりの花はとにかく綺麗である。

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晴れ間も見えて来て・・・

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サンカヨウ

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ミヤマキンポウゲ

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エゾノイワハタザオ                       エゾノハクサンイチゲ

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チシマヒョウタンボク

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チシマノキンバイソウ

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ミネヤナギ

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クロウスゴ

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キバナノコマノツメ

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